【掌編】新人職員の初任務
「実は僕、人間じゃないんだ」
夜の公園、呼び出された私、彼の笑顔は引き
周辺道路は黄色いテープで封鎖されている。
遠くにパトカー、近くには黒塗りの車両が数台。
「一緒に生きれる道があればよかったんだけどね」
それが人の姿をした彼の口から発せられた最後の音。
いつもピシッと伸びていた背中は白い針だらけの猫背になり、私の頭をそっと
僕も今着いた、僕も今起きた、それが彼の口癖だった。
待ち合わせ場所や朝起きた時のベッドで、私と目があった時の口癖。
いつも優しく泳いでいた黒い瞳が、今は真っ赤に変わり私をじっと見つめている。
*
『
『
『
黒塗りの車両から現れた〝職員〟の集団が彼に〝対応〟を開始した。
私は数分
「実は私、知ってたの」
知ってしまったから、この職場を選んだのだ。
「あるんだよ、一緒に生きれる場所が」
人と怪異が共生できる組織、それが……機関。
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