260 私には思い出せない

岸澤「私には思い出せない。何一つ、思い出せない。どうして……」

高峰「この右目は俺が望んだことだから、とカミ様は言っていた。岸澤の思い出せないのも、そう願ったのかもしれない」

岸澤「前世の私が?」

高峰「そう」

岸澤「ちょっとカミ様に聞いてくる」

高峰「カミ様はあまり信用しないほうがいい」

岸澤「どうして?」

高峰「カミ様がこの右目を授けてくれたからだ。あのカミ様が無条件で授けるとは思えない。何かしらの謀りがあるだろう」

岸澤「ならば、どうすれば良い?」

高峰「わからない」


残り259

〜続く〜

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