セリフ劇『モノクロ』

永遠在生人

黒色と白色の世界で

「これは、なんですか? 文字が浮かんでいる……? いや、そもそも、僕の体がない……? 文字が空白埋まっていく。そうか。自分の思考が文字化されているのか」

「なによ、ここ。文字だらけじゃないの」

「これは、僕の言葉ではない。誰だ!?」

「ひっ、何よう。私以外にいるの?」

「僕です、僕がいます」

「僕って、誰よ、あんた」

「僕は、高峰といいます。あなたは?」

「岸澤よ。それよりあんた、どこにいるのよ?」

「それが、僕にもさっぱりわからないのです。岸澤さんの姿が見られないようですし……」

「文字道理、文字だけね」

「ええ、そうなんです」

「あんたの顔も声も姿形もわからない、だが、この浮かぶ文字だけが、お互いを知る鍵」

「それでは、自己紹介でもしますか?」

「ええいいわよ」

〜続く〜

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る