1日目 なぜリミットが1カ月なのか
「マミー見て!お掃除日記のプロローグ!」
「ふぅん。」
「1カ月で家綺麗にして、小説に書くねん!」
「…。しばらくしたら更新止まるんやろ?」
「…(^ ^)」
そんなこと…と言いたいが、そうなる未来が容易に想像できた自分は、明日の自分!どうか未来を変えてくれ!と願った。
そんな昨日だった。
(願うだけじゃダメなんだ自分…すでに怪しいな…。)
今日は1日目、昨日の今日で変わったことは、半年程マミーから捨ててきてほしいと頼まれていた茣蓙×2をやっと捨てたことだ。…それ以外は特に変化なし。まあ、昨日の今日だから。ごみを捨てているだけ何もしないよりはマシだな、うん…。
昨日のプロローグで、自分は掃除のリミットを1ヵ月に決めた。なぜ1ヵ月なのか、それは自分の学生時代に遡る(そんな深いわけではない)。
昔、1年間だけ専門学校に通っていたとき、「脳科学」という授業があった。
科目の名前が「脳科学」というだけで、実際はどこぞの会社の社長が外部講師としてやってきて、アイデンティティや、自己意識をどのように上げていくか、モチベーションをどう保つか、これからの自分達の意識を変えていこうぜ!…っていう授業だ。
他の生徒はどうかわからないが、自分は脳科学だとか自己暗示だとか、そういう内容のものにはつい食いついてしまう。一年間でたった3回計135分しかない授業を、自分は楽しみにしていた。
最後の授業の終わり、自分はその外部講師に質問した。
「先生、自分は家の片づけができないんです。なぜでしょうか?」
…当時の自分は本当にこう質問した。抽象度が高すぎるな、当時の自分。
当然講師の先生はこの質問を掘り返した。いい先生だった。
「君は掃除自体は好きそうだよね?」
「好きですね、教室の掃除とか張り切ります。そう見えます?」
「見た感じかな。髪型整ってるし、服もきっちり来てるから。」
ほおん?と思った。隣で聞いていた「友人2人が家片付いてそうなのに以外。」「なー。」と言っていた。
「学校での掃除は得意なのに、家の掃除がはかどらない人は結構いるんだよ。」
「そうなんですか?」
「理由は結構単純で、人に見られているか、そうじゃないかが原因なんだ。」
「あ!なるほど!」
これを聞いて自分はすぐ理解した。なぜなら自分は人と違うことをして注目されるのが好き、言い換えれば見栄っ張りだからだ。加えて家には全く人を呼ばない。
「学校だったら他人に見られるけど、家だったら身内しかいないですもんね。」
「そうなんだよ。だから本人が困っていなければ、人に見られることがなければ片付ける必要がないんだよね、言い換えれば。」
「そうなんです。」
正直だなと先生は笑った。苦笑いとは違う、普通に笑った感じの顔だ。いい先生だ。
「でもこの質問をしてきたってことは、君は現状を少しでも改善したいと思ってるんだね。」
「そうなりますね。」
「質問はなぜ片付けられないのかだったけど、君の目的はきれいな空間で過ごすことなんだよ。」
納得だった。
「だったらその目的を達成するための手段を考えればいいんだね。」
「あぁー…。」
「大きく分けて2つ。引っ越すか、清掃業者を呼んで家をきれいにしてもらうか。」
「ですよね…。」
「この2つだと簡単なのは後者だけど、これは金銭的問題が伴ってくるよね。となると次は清掃業者を呼ぶためのお金をどこから捻出するかという話になってくるんだよなぁ。」
「やっぱり、そうなりますよねえ…。」
先生と2人して困ったなあと笑った。結局解決はしていないのだが、やり取りが楽しかった。いい先生だった。
…さて問題。自分はここまで、「いい先生」と何回いっただろうか?
…話を戻すとして。自分が何を言いたいかというと、何をするにも漠然と決めるのではなく、具体的な目的を決めるのが大事だということ。
きっかけがあって片付けるのではなく、片付けた後何があるかが重要ということだ。
これはアドラー心理学「嫌われる勇気」にも記されている、【目的論】と同じだ(読んだことある?面白いよ)。
なぜ1ヵ月なのか、そのあと友人を家に招待する”目的”のためだ。
なぜ清掃業者ではなく自力で掃除をするのか、小説のネタにするという”目的”のためだ(本当は業者を呼ぶポケットマネーがないのは内緒)。
なので、リミットは1か月、2月29日まで!翌日以降に友人を家に招待することにしよう!!
「もう1時間も放置されてるー。」
おっと。横のローテーブルの側に座って、ツムツムをしていたマミー(今日は仕事休み)が待ちくたびれたようだ。この小説を打つために待ってもらっていた自分は「もうすぐで終わる!終わったら豆大福食べよう!」と返した。
なので今日はここまで。明日からお掃除本格始動だ、頑張るぞ!…と心に誓おう。
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