【悲報】ワイ社畜からダンジョンマスターに転職するもなぜか食堂経営してるんだが?
リト
第1話
時間は日付をもう少しで変わる時間、トイレから戻ってきたら変な紙が机上に置いてあった。
【いま話題沸騰中!】やりがいのあるアットホームな職場で働きませんか?
下記の内容を読んだ後サインをお願いします
1、人材不足の職場があり、被契約者は管理者として働いてもらう。
2、ヘッドハンティングの形式での特別採用の為、通常の契約者よりも優遇される。
3、被契約者は一人補佐を付けることが出来る。
4、アットホームな職場でみんな楽しく一生懸命働いています
5、いいからまずは名前を書け。
「……いや何だこれ?」
僕はそんなことを思って契約書を手に取った。
僕が残業することを知っているのは社長と同僚だが、まあ同期の悪戯好きの奴の仕業だろう。
アットホームな職場って書き方はブラック会社って相場が決まっているんだよ。
「いや、そもそも名前を書けってなんだよ。なんで最後命令口調なんだよ」
僕は書類に突っ込みながら、背もたれに背中を押しつけて顔を上げた。
体を伸ばしながら書類を持ち上げ、内容を読み返す。
「ヘッドハンティング、ね。確かにそういった話に憧れはあるよな…自分を必要とされているみたいで」
僕はそう呟き、薄く笑みを浮かべる。
「それにしても、社畜になれって感じの契約だな。管理全般を任されるってことか? もう十分に社畜だよ、僕は…まぁいいや同僚のおふざけに付き合ってやるか」
僕はそのふざけた契約書に適当に名前を書いた。
そして、同僚の机に置いておこうと書類を手にしたその時、俺が手に持つ契約書の紙全体に、青白く光る線が走った。
「えっ、ちょっ、ナニコレ!」
契約書に書かれていた文字や俺のサインの裏に浮かぶように、青白い光の文字らしき記号が紙全体に現れる。
書類を持ち上げるタイミングだったので視線が下を向いており、視界に映るのは誰かの足だということくらいしか分からなかった。
純白の少しキラキラ発光した足が見えた。
裸足? 誰だ?
俺は恐る恐る不自然な動きで顔を上げる。
純白のスーツに銀色のネクタイ、ダイヤモンドのピンと黒い靴。眼の前に現れたイケメンは、周囲の誰よりも優雅で権威的だった。
長い金髪は見事で、俳優級のその見た目でギョッとしてしまった。
僕が困惑して動けずにいると、その人物は笑みを浮かべて口を開いた。
「契約してくれてありがとう、山田君。いやぁ〜君が初めてだよ。君以外に何人にも出したんだけど中々気付いてもらえなかったり契約書を捨てられたりで誰も契約してくれなかったんだ〜なんでなんだろうね〜hahaha!」
そう言って、僕の肩をバシバシ叩いてイケメンは笑った。
僕はそれでますます混乱した。
――へ、け、契約? アレってマジのやつなの?
「…な、なんで僕に? なんの契約だったんだ?」
僕がそう尋ねると、その人物は妖しい笑みを貼り付けて俺を見た。
その笑みを見て、俺はようやく事態の異常性に気がついた。
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