二四。林檎*

 育児放棄された私は、母が捨てた林檎の芯をかじって飢えを凌いだ。山に埋めた種は十年後、実をつけたが、全て毒林檎だった。私は裏町で毒林檎を売り、ようやく食い扶持を稼げるようになった。母のくれた林檎の種に感謝を。林檎の養分になった母に感謝を。

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