第2話




担当しているライターから

音信が途絶えてから

随分になる。


旅行記事を書いていた

ライターだった。


旅先での記録や

行事の紹介。

定番といえば定番の記事。


その土地の

古くから伝わる習慣や

独特の様式を紹介していた。



長い付き合いで。

編集者とライターというよりも

友人に近い距離感だった。



何を思ったか

突然、北に向かって旅に出た。


そう聞いた。


それが最期の連絡となった。



「ビールと枝」


妙な組み合わせだと思い。






行くな、と

止めたような気がする。




どこに行くか聞いたはずなのに

目的地が思い出せない。








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