1130 理想の男性・理想の女性

 この場であった話を素直ちゃんとの話を、奈緒さんに説明する眞子。

そして、その序に「奈緒さんの恋愛観に於ける危険性」や「甘さ」も同時に注意しておく眞子なのだが……


***


「そっかぁ。眞子から見たら、私ってそんなに甘かったんだ」

「ですね。あぁでも、当時は凄く有り難い事だったんですよ。助けて貰えると言う事は、凄く心強くもありましたからね」

「でも、今の眞子はそうは思ってないんんでしょ」

「全然思わなくはないですよ。基本的に逃げれるものなら、逃げ出したい時だって一杯有りますからね。でも、逃げても無駄だって事に気付いちゃったんで、出来る限り逃げずに、即座に対処しようと思ってるだけですから」


まぁ……ブッチャケ言っちゃえば。

今の私の本音は『もぉ絶対に逃げたくない』って、意志が強く働いてますけどね。


その場で解決出来るのであれば、後々面倒が付き纏う事もありませんしね。



「変わったねぇ眞子。昔の眞子の面影なんて、何所にも無くなっちゃったみたい」

「へぅ?そうですかね?私自身は、そんなに変わったって認識はないんですけどね」

「うぅん、君は変わったよ。今の君は、昔の君と違って、誰にも甘える事無く、全てを真正面から受け止め様としてる。これは中々立派な心掛けだと思うよ」

「そうですか?でも、もし、ほんの少しでも、そうやって、なにかが変われたんだとしたら。それは間違いなく奈緒ネェや、崇秀のお陰ですね。これは決して、私1人なんかじゃ成し得なかった事だと思いますよ」


ホント、こうやって少しでも私の成長したと思って貰える要因は、いつも、こんなお馬鹿ちゃんな私を飽きずに見守ってくれた2人のお陰。

お2人が居なかったら、私なんて、ただの甘えたちゃんのアホな子でしかありませんからね。


奈緒ネェや、崇秀が居なかったら、ホント今頃、どうなってた事やら……考えただけでも怖いですよ。



「はぁ……ねぇ眞子」

「あぁ、はい、なんですか?」

「良かったらさぁ。もう一回、男に成ってくれない?今の眞子なら、結構、私の理想系の男なんだけど」


えぇ、それは光栄な事ですが……ヤです。


確かに男に戻ったら、無条件でまた奈緒ネェと付き合えますから、スペシャルお得だと言えばお得なのですが。

その分、今の崇秀との関係が完全に別物に成っちゃいますから、絶対にヤです。


もぉ私は女性の姿のままで、一生、崇秀に愛され続けたい。

そして、そのまま2人でこの人生を最後まで添い遂げたい、って気持ちが非常に強くなっちゃってますんで。


そんな理由が御座いまして、ご期待には沿えません。


ですから、その為にも代案を立てさせて頂くとすればですね。

今後も真琴ちゃんの成長を促すきっかけに関しては、誠心誠意協力は惜しみませんので。

これからも一緒に、今の真琴ちゃんをガンガン鍛えあげて、奈緒ネェが満足いく様な男性に仕上げていきましょう。


こんな感じの代案でどうですかね?



「あぁ、それ。さっき、素直ちゃんにも同じ様な事を言われたんですけど」

「あらら、素直にも、そんな事を言われたんだ」

「はい、なんでか知らないんですけど『眞子ちゃんが男だったら理想の男性だ』って言われましたね」

「あらまぁ」

「けど、それって、なんか結構、落ち込みますよね」

「なんでよ?」

「なんで?って……女の身で、理想の男って言われても、どうなんですか、それ?そう言われるのなら、せめて男の時に言われたかったですよぉ」

「あぁ、言われてみたらそうだね。確かに、女の身であるなら微妙な意見に聞こえちゃうね」

「でしょ。……なんか、それにですね。それって、女の魅力が0みたいじゃないですか。それこそ悲しいですよ」


0みたいじゃなくて0だったりしてね。


もしそうなら……私って、非常に終わってますね。


(;´д`)トホホ



「あぁ、それはないよ。眞子は可愛いし、どこからどう見ても女の子丸出しだもん」

「本当ですか?……因みに、どの辺が女の子っぽいですか?」

「うん、その腹の黒い所なんか、特に女の子丸出しなんじゃない」


……そこですか。

これはまた、とんでもなく悲しい点で女性らしさを見出されたもんですね。


まぁでも、少しぐらい「したたか」じゃないと女性はやっていけませんから。

そこを評価されてるなら、それも、そんなに悪くない事なのかもしれませんね。

いや寧ろ、それが自然と滲み出てるなら、逆に今の私には喜ばしい事なのかもしれない。


だったら……



「あれ?バレてましたか」

「うん。バレバレ。……でも、眞子の腹黒だって気付いてるのって、多分なんだけど、私しかいないと思うよ。若しくは、この間、少し眞子の暗黒面を覗き見たエリアスとかね」

「あぁ、そうなんですか?奈緒ネェが、そんな事を言うから、一瞬、みんなにバレてるのかと思ってドキドキしちゃいましたよ。……でも、なんで奈緒ネェにだけには解るんですか?」

「そりゃあ、私が腹黒だから」

「あぁ、なるほど。それはまた的確な意見ですね」

「ちょ!!なるほどじゃないわよ!!そこは違うってフォローしなさいよ!!」


違イマスヨ(棒読み)


……嘘です。

事実、奈緒ネェは腹黒なんかじゃないです。

そう見せてるだけの、とても優しいお姉さんです。


私にとっては、崇秀同様、崇拝すべき女神ですからね。



「冗談ですよ。奈緒ネェは、全然腹黒なんかじゃないですから」

「なぁ~~~んか、リアリティも糞もない、信憑性に欠ける言葉だね」

「そんな事ないですよ。奈緒ネェが腹黒だったら、それこそ世の中の人間全員が腹黒になっちゃいますよ」

「えっ?眞子、アンタ、それ……本気で言ってるの?頭大丈夫?」


いや、あの、奈緒ネェ、自分の事だよ。



「あぁ、はい、全部本音ですよ。女性の中だったら、奈緒ネェ程素敵な女性なんて存在しませんよ。そんな人が腹黒な訳ないじゃないですか」


私の女性ランキングでは、奈緒ネェは不動の№1なぐらい素敵な女性です。


でも、全人類の中じゃ、申し訳ないですけど……2番ですね。


……崇秀が居るんで。


けど、これって、凄く僅かな差でしかないんですよ。

恋愛対象に成るか成らないかってだけの『性別の差』でしかないんで。



「眞子って、まだ、そんな風に、私の事を思ってくれてるんだ」

「当たり前じゃないですか。奈緒ネェ以上の女性なんて、この世には存在しませんよ」

「それは、眞子も含めての話?」

「はい、勿論そうですよ。って言うか寧ろ、私なんかじゃ比べ物にならないぐらい奈緒ネェは素敵な女性です。まさにワールド・チャンピオンです」

「そっか……ふふっ、眞子好き♪」


あららら……抱き付かれちゃった。

相変わらず、柔らかいし、肌がピッタリと吸い付く肌理の細やかさですね。


まさに極上。

羨ましい限りですよ。


……うん?あれ?それはそうと奈緒ネェ。

今抱き付かれて感じた事なんですが。

ひょっとして、少しプロポーションに変化があったんじゃないですか??


これは本人に確認せねば。



「あの……奈緒ネェ」

「うん?なに?苦しかった?」

「あぁいや、そうじゃなくてですね。あの、この話は、絶対に怒らないで聞いて欲しいんですけど。……冗談じゃなくて、結構なマジの話なんで」

「マジの話?私に抱き付かれてマジって、なに?……まぁ良いけど。っで、なによ?」

「あぁ、はい。なんか奈緒ネェの胸がですね……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


素直ちゃんの件や、奈緒さんへの注意喚起もある程度は納得して貰えた眞子。

そんな風に伝えるべき事を伝えた後なので、少々雑談に成りつつありますね(笑)


ですが物語に於いて雑談と言うのは、次の問題を提示するための『布石』


この後、この会話が意外な方面に流れていきますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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