1125 自己肯定感を促してみる

 素直ちゃんのメンタルケア及び、身嗜みを整える為に、倉津君の実家のお風呂を借りる事に。

そして漸く、その素直ちゃんとの交渉が纏まり、2人で風呂場に向かって行くのだが……


***


 ……っとまぁそんな感じで、真琴ちゃんの部屋を後にしてですね。

2人で風呂に行こうとしてたら、都合良く廊下を歩いてる途中で玄さんに遭遇。


だから此処で真琴ちゃんの親戚と言う立場を盾にして、風呂場を使わせて貰える様にお願いしてみた。


そしたら玄さんは、快く、強面の笑顔で、これを承諾。

これはまさに、普段から玄さんの好感度を上げ置いた賜物っと言った所でしょうか。


***


 そんな風にしながら、漸く風呂場に到着したんだけど。

此処の風呂場を久しぶりに見て、全体が和風の風呂で、浴槽が『総天然檜』と言う豪華な造りだったんだなぁって感じる。


典型的な昭和ヤクザの人が好みそうな造りではあるんだけど、それはそれで情緒があって凄く良い感じだね。

特に、この風呂場全体に広がる檜独特の香りが、ヤバイぐらい良い香りをさせてる。


以前なら、こんな事には、なにも感じなかったんだけど。

この贅沢さに、なんの情緒も感じなかったなんて、私って、一体、どんな感覚で生きてたんだろうね?


感性が腐ってるとしか言い様がないね。


ホント、情けないぐらい馬鹿だね。

……なんて思いながら。

ふと横に座っている、少し緊張気味の素直ちゃんを見てみたんだけども……


あれ?

女の子に成って早1年近くも経つって言うのに、何故か素直ちゃんの大きな胸にだけは、自然と目が行っちゃうね。


なんでだろ?


あぁ勿論、異性として素直ちゃんの胸を見てる訳じゃないんだけど……あれって、なんか凄いね。

今、見てシミジミ思ったんだけど、生で見ると素直ちゃんの胸って、あんなに大きかったんだ。


これは驚愕の事実ですよ。



「あの……眞子ちゃん。お願いだから、あんまり僕の胸ばっかりジロジロ見ないで……恥ずかしいよぉ」

「あぁ、ごめんね。悪気は無いんだけど、余りにも立派だったもんで……つい」


本当に立派なんですよ。

豊胸手術をした訳でもないのに、自然に成長しただけで、その大きさはもぉ反則の級ですよ。


異性じゃなくても、自然に眼が行っちゃうって。



「うぅ……こんなの、全然立派じゃないよぉ。ただ重たいだけだし。肩は凝るし。チビの僕なんかに、こんな大きな胸はアンバランスなだけだよ。……僕、この胸、大嫌い」


あの……素直ちゃん。

こう言っちゃあなんなんだけど、そんな贅沢な事を言ってたら、また奈緒ネェと美樹さんに怒られるよ。

下手したら2人に、死ぬまでオッパイをペチペチ叩かれるよ。

不用意な言葉は命に関わる問題にも成り兼ねないんだから、もぉちょっと言葉には気を付けた方が良いよ。


以前にもバスの中で似た様な事を言って、散々酷い目に遭ったんだから、ちょっとは学習しようね。


私は、自分の体に満足してるから、なんにも怒らないけどね。



「あぁ、そうなんだぁ。でも、素直ちゃんが言う程、そんなにバランス悪いかなぁ?私は、いつも普通に素直ちゃんを見てるから、なんの違和感も感じないけどね」

「本当?僕の、この胸って変じゃない?」

「うん、全然変じゃないよ。……って言うか、寧ろね。そうじゃなきゃ、素直ちゃんじゃない様な気がするね」

「うぅ……それだと、なんか僕、オッパイだけの存在みたいで嫌だなぁ」


あぁ、そう取っちゃいますか?


でも……そこにバッカリ意識が集中するって事、相当イヤなんだね。


けどね、素直ちゃん。

その胸って、男の人から見たら夢とロマンが、いっぱい詰まってる立派な胸だと思ってくれてると思うよ。


一見して、有り得ない漫画のヒロインみたいな体型だしね。


これも既に、もぉ『萌』の域ですよ『萌』の



「あぁ、そう言う意味じゃないんだけどね。それも1つの『素直ちゃんの魅力』なんだよって話なんだけど」


……っとか、フォローをしながら。

気分を入れ替える為にも、素直ちゃんの頭を綺麗に洗ってあげてます。


静流お母さん直伝の洗髪の仕方だから、かなり気持ち良いと思うんだけど……どぉ?


これでちょっとは気分をスッキリさせて下さいな。



「あぁ、でも、僕ね。こんな歪な体型より、眞子ちゃんみたいな全体的に均整のとれた綺麗な体型が良いなぁ。身長に合わせて胸の大きさも適度だし。ウェストも細いし。お尻も小振りだし。体型で悩みとか、なにも無さそうだもん。……眞子ちゃんって、本当にズルイよね」


あぁいや、そう言われましてもですね。

気付いたら、自然と、こうなっちゃってた訳だから、なんとも言い様がないよね。


まぁ一応、崇秀が好きな体型だって言ってくれたから、自己管理をして、この体型だけは徹底的に崩さない様に頑張ってはいますけどね。


豚ちゃんになって、無様な体型に成るのだけは嫌なんで。



「そうかなぁ?別に普通だと思うけどなぁ。私の体型なんて、極有り触れた体型だから、全然特別じゃないよ」

「眞子ちゃん、それは……あぁ今、僕、初めて眞子ちゃんに殺意を覚えたよ」

「えぇ~~~っ、なんでぇ~~~?」

「なんでって……そんなに綺麗なプロポーションをしてて、普通とか言われたら、僕の立つ瀬がないよ。眞子ちゃんに比べて、この体じゃあ、ただの歪だよ」


少々アンバランスなのかも知れないけど、別に歪な体型では無いと思うよ。


でも、なんで、そこまで胸が大きいのが嫌なのかなぁ?



「いやいや、そんな事ないって。大体、素直ちゃんさぁ。胸の事バッカリ気にしてるけど。腰周りも細いし、お尻も、そんなに大きくないじゃない。なにが、そんなに不満なの?」


それでも大きな胸が不満なんですね。


解ってます。

重々に解っております。



「胸」


ですよね。

ヤッパリ、常に行き着く先は、そこなんですね。


なら、ちょっと思考を変換してみよっか。



「そっか。そんなに嫌いなんだね。……でもさぁ、自分の胸なんだから、その胸も好きに成ってあげた方が良いと思うよ。素直ちゃんの見栄えを良くしようと思って、その胸も、そこまで大きく成長してくれたんだからさぁ。自分の体を、もっと愛してあげないと、本当の意味で綺麗には成れないと思うよ」


ねっ、ねっ、その方が、絶対に良いと思うよ。

どれだけ自分のプロポーションを嫌っても、なにも変わらないんだからさぁ。


それにね。

素直ちゃんは、胸に対して、どうしても不満があるのかも知れないけどね。

実際の話だけで言えば、そんなの些細な問題だよ。


私なんて……胸処か、男から女に成っちゃってるんだよ。

体型以前に、医学的見地から見ても、全く持って訳の解らない体なんですよ。


『それでも私は生きている』のレベルなんだよ。


……でもね。

そんな無茶苦茶な体でも、この体は、誰がなんと言っても、私の体な訳じゃない。

だから、もぉ以前の様に毛嫌いする事はなくなったんだけどなぁ。



「それ……眞子ちゃんの持論なの?」

「うぅん。持論って程、大したレベルの話じゃないんだけどね。私は、崇秀の為に、もっともっと自分自身に磨きを掛けて、綺麗に成りたいから、自分の体を常に褒めてあげる様にしてるの。そうしてるから、この体も、それに応えてくれてるんだと思うよ」

「そうなんだぁ。……眞子ちゃん、自分の身体つきって好き?」


うん、今は好きだよ。


でも、こうなった時は、目ん玉飛び出すぐらいビックリしたけどね。



「うん、好きだよ。こんなにキッチリと私の要望に応えてくれてるのに、嫌う理由なんてないもん」


ナルっぽいかな?


ナルじゃないんだけどね。

実際は『自分でも良い体してるなぁ』っとは思うね。


……これをナルって言うんですね。


うるちゃい!!



「応えてくれるんだぁ。じゃあ僕も、少しつづだけど好きに成ってみようかなぁ」

「うん。それが一番良いと思うよ。その胸も含めて、みんな、素直ちゃんなんだからさ。一部分だけを変に嫌ったり、意識する必要は無いと思うよ」

「そう……だよね。この胸も、僕の一部なんだもんね。あまり嫌ってあげちゃあ可哀想だよね」


そうだよ。


それ以前に、誰もが目を見張る様な立派な胸じゃないですか。

なら、なにを嫌う必要が有るんですかね?


あぁ……因みに私、真琴ちゃんだった時、その大きな胸が大好きだったよ。

だって、ポニョポニョして、凄く柔らかかったもん。


だから思い出し序に……ちょっと触っても良いかな?



「あの……眞子ちゃん。どうして、僕の胸を触ってるの?」

「あぁ、ごめん。本当に大きいなぁって思って……確認?」


まぁ、過去はどうあれ、今の私の感想は、所詮こんなもんだね。

夢とロマンの詰まった素直ちゃんのオッパイを触ってるって認識はあるものの、特別、なんとも思わないや。


まぁ、1年も女子をやってりゃあ。

自分にも同じ様なモノが、ズッとくっ付いちゃってるんだから、こう感覚になっても然りなんだろうけどね。


でも、なんか、ちょっと寂しいもんだね。



「もぉ……」


そんな風に感慨に耽ってたら、なんか怒らせちゃったみたいだね。


ごめんね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


恋愛などで凹んだ相手に対してのメンタルケアをする場合。

まずは自己肯定感を育ててあげた方が、話がスムーズにいく可能性が高くなる。

それ故に今回は、素直ちゃんが自身を体でコンプレックスに思ってる『胸』を眞子は褒めちぎったみたいですね。


まぁ実際、素直ちゃんの胸は本人がコンプレックスに思ってても、他人から見れば『羨ましい』っと思われてる方が多いですしね(笑)


さてさて、そんな風に、眞子による最低限のメンタルケアが終了した所なのですが。

までこれ位では、素直ちゃんが『倉津君や山中君の問題』に向き合うには少々危険な状態。


なので、次回は、もう少しだけメンタルケアを踏まえた上で、本題に入っていきたいと思います。

そんな感じですが、良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る