カクヨム吹奏楽小説読歩記(よみあるき)

湾多珠巳

「吹奏楽小説」などというジャンル名が、出版社や書店で普通に通用するのかどうかは分かりませんが、「吹奏楽部や吹奏楽団体を舞台に、音楽そのものや音楽活動をストーリーに絡ませつつ、キャラの心の動きとかドラマとかを描いた作品」を、ひとまず吹奏楽小説と呼んでおきたいと思います。


 で、このエッセイ集は、カクヨム内で「吹奏楽」のキーワードに引っかかった作品を、私、湾多珠巳が一方的に読み倒して一方的にコメントするという、ある意味迷惑な連載企画です w。なお、「小説」とは書きましたが、あとあとエッセイ集なんかも入れてしまうことになるかも知れません。なんなら詩とか短歌集も含めてもいいと思ってます。


 さて、一方的に立ち上げておいて何ですが、本連載はカクヨム内の「全」吹奏楽関連作品を網羅するつもりで始めたわけではありません。2024年2月現在での検索だと、ざっと370前後のタイトルがヒットしますが、取り上げる作品はあくまでその一部になると思います。ではどういう作品をピックアップして、どういうのをしないのか、という問題は、煎じ詰めれば「湾多が『おっ?』と思った作品」かそうでないか、というひとことに尽きます。


 つまりは、本連載に収録されても、箔付けになるどころか、ポジティブな意味を持つかどうかすら怪しい、ということです 笑。いわば、物好きが自分の作品の中で本棚を作って遊んでいるような企画ですが、そんな自己満足にお付き合いいただいた各作品の作者様には、この場を借りて改めて御礼申し上げます(各紹介文は事前にそれぞれの作者さんに同意を得た上でアップしています。一部「同意を得たことにした」形になってる作者さんもいらっしゃいますが……)。


 作品の収録順のルールですが、多分気まぐれそのものになると思います。当初はある程度まとまった作品数を書いてから、何らかの分類基準で章を作っていくことも考えましたが、のちのちの新規紹介の作品をどう繰り入れていくのかが悩みどころになるので、もうこれは最初からアトランダムで並べようかと。数がまとまったら、いずれ分類整理したタイトル一覧ページなどを複数種類追加していくつもりです。

 一点だけお断りしておくと、取り上げる作品の傾向はほんとうにバラバラです。前述の通り、「湾多が『おっ?』と思った作品」 笑 が紹介の基準なのですが、何しろ私は雑食性なので、お笑いからドシリアスまで、大長編から掌編まで、さらに忌憚なく申せば書き手さんの技量も駆け出しレベルから大ベテランまで、あまり頓着せずに読み散らし、勝手に「おっ?」と唾を付けては紹介してしまってます。中には先行きが激しく不確定な連載中のものもありますし、正直、これはこのままエタるんでは、と予想できてしまう作品も混じることになりそうですが……そういう進行形のものも含めて、カクヨムの一つの切り口が活写できれば、それもまた面白いかなと思います。


 音楽小説という、マイナージャンルのそのまたマイナーネタに特化したスコップ企画ではありますけれども、同好の読み手さんたちの一助になれば。そしてもちろん、このテーマで切磋琢磨しておられる書き手のみなさまにも、ささやかにでも意義を感じていただければ幸いです。



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