第36話

「僕、仕事のことでも悩んでて。さっちゃんに言われて、考え直しています」


「…俺も家ついてってやろうか。彼女忙しいだろうから」


「さっちゃんは高校にも行かないといけなくて」


「え、…高校生?」


「…そうです」


「まじかよ若いな!知らなかった。じゃ、いつ行く?」


この人はお人好しさんだ。零の味方。さっきの話だと、あまり零が他人と仲良くするのをよしとしない嫁だったようで、零はいつも気を遣っていたようだ。


「先人さんの予定教えて下さい」


「いや、いいよ。零くんに合わせる」


あ…零が泣き出した。


「すみません…先人さん…ご迷惑…かけて」


「いや、零くん?大丈夫?」


私の持ってたハンカチを目に当てる。


「…ありがとうございます」


「ううん」


「僕は、迷惑ばかり…」


「いや、相談さっさとしろよ。なんでうち来ないんだ」


「…ありがとうございます」


兄貴的な?


そんなこんなで、2人はようやく話せて、日程は決まったみたい。私は仕事頑張るよ!学校もねー


さて、なぜか今日は社長に社長室へ呼ばれた。


「これは、あなたの筆跡じゃないですよね?」


手紙?


「違いますー」


しかも、なんかラブレター?


みのるがもらってました。あなたの名前が書いてあって」


なんで?


「わかりません」


「この字を書く人はうちのモデルだと思います。またなにかやってくるかもしれません。その時は、相談して下さい」


「…はい」


あれから嫌がらせなかったのに。意味わかんないことする人いるんだな。

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