第18話

「これは、なんですか?」


「チーズ」


「チーズが、中に?すごいです」


零はたくさん食べてる。筋トレも前よりしてるらしく、だいぶがっちりしてきた。対面で座ると、零ががっちりしたのがよくわかるかも。


「私も筋トレしたいなぁ」


「しないんですか?」


「筋トレ禁止」


「どうしてですか?健康になれますよ?」


「筋肉質な体はダメらしい」


「…なぜです?」


「もちもちで、ややぽちゃくらいがいいんだそーで?」


「会社の命令ですか?」


「そー」


「…それは、セクハラでは?」


「さぁ?」


「そうなんですね…」


「もう無理ってなったら辞める」


「はい」


零は、そんなのもったいない!せっかく人気なのに!なんて言わない。


「おいしいです。さっちゃん、いつもありがとうございます」


「どういたしまして」


零の笑顔にめちゃくちゃ癒される。仕事でもやもやはあったものの、そんなのどーでもいい。私は私のやりたいようにやってやる。だって、社長から別に何も言われてないから!


食後、ソファに2人で座る。


「あ〜うちのメンバー出てる」


適当にテレビつけたら映った。


「え、あ…このお方?」


「そです」


「さっちゃんより年配に見えます」


「そです。私だけ高校生」


「なるほど…他の方と歌っている姿は拝見しましたが、個人で映っていると姿は少し変わるのですね」


「衣装とかもあるかもね」


「なるほど、さっちゃんは歌ってるときもいつでも変わらずかわいいです」


「メイクしてても?カラコンでも?」


「もちろん」


「嬉しい〜」


「僕は普段の姿も知っていますが、さっちゃんはいつも素敵です」


「そんなに褒めないでよー恥ずかしいよー」

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