第2話 禁断の伝承
その日の夕方、城が静かな静けさに包まれた後、エリクは好奇心に駆られ、あらゆる場所から秘密がささやかれている場所、王宮図書館へと向かった。背表紙が年季の入ったひび割れた本が何列も何列も、広大な部屋を埋め尽くしていた。エリクの指はタイトルをなぞり、長い間忘れ去られていた物語の鼓動を感じた。
「エリク?」優しい声がした。王国最古の学者であるエルリック司教だ。その目は、部屋に揺らめくロウソクと同じくらい輝いていた。
「こんにちは、エルリック司教」エルクは挨拶した。「今日起こったことについて...知りたいことがあるんだ」
エルリック司教は眉をひそめた。「いいか、あれは闇だ、未解決のままにしておくのが一番だ」司教はそう言ったが、エリクの決意は揺らがなかった。
「ただ傍観しているわけにはいかない。お願いです、何かあるはずなんです、もっと詳しいことがわかる本や巻物が......」司教はため息をついた。
視線を和らげた。「よろしい、だが我々は影を踏んでいるのだ、心してかかるのだ。若き王子よ。ついてきなさい」
二人は迷路のような棚を通り抜け、人里離れたアルコーブにたどり着いた。エルリック司教は手を伸ばし、彼の指はより高い棚を探し、光を飲み込んでしまいそうなほど暗い革で装丁された埃っぽい書物を引き下ろした。
「これは 『茨の冠の年代記 』だ。君の一族の呪いの起源について書かれている。しかし警告しておくが、真実はしばしば諸刃の剣であるぞ。」
エリクはうなずき、胸の鼓動が太鼓のように高鳴った。彼が本を開くと、ページがパチパチと音を立てて抗議した。彼の目の前で文字が踊り、王国がまだ若く、とげの冠で封印された盟約が交わされた時代の物語が語られた。
「白い魔女」エリクは声に出して読み上げ、マントをかぶった人物の色あせたイラストを指でなぞった。「彼女が鍵で、呪いを解くことができる唯一の人物だと書いてある」。
エルリック司教は身を乗り出し、声をひそめた。「いいか、白い魔女は伝説であり、朝霧のようにとらえどころがない。多くの者が彼女を探し求めたが、誰も戻ってこなかったのだぞ」
エリックは本を閉じた。「ならば、私が最初になろう。ダリアンのためにも、ソーンウッド全体のためにも、挑戦しなければならない」
司教はエリクと目を合わせ、二人の間に無言の了解が流れた。「それが君の道なら、慎重に歩みなさい。白き魔女への道は、影だけではない」
茨の王冠の年代記を小脇に抱え、エリクは図書館を後にした。夜の空気はひんやりと冷たく、まるで秘密を囁いているかのようだった。その静寂の中、エリク王子はそのささやきを追いかけ、故郷を脅かす影に光をもたらすという静かな誓いを立てた。
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