呪われた王家と白い魔女

青木タンジ

第1話 王家の悲劇

その光線は城の古びた石に接吻し、大広間の旗を金と深紅の炎に染めた。その日は王家の誇りと祝賀の日であり、王家の血統の神聖な強さと団結を象徴する壮大な儀式で「いばらの冠の祝福」が披露され、王家が最も輝いた日だった。


王国の英雄と伝説を称え、王家の強さと結束を祝い、王国の繁栄と文化遺産を紹介するために捧げられた日だ。王室、特に王位継承者が、支配者一族の神聖な権利と強固な血統を象徴する神聖な儀式である「いばらの冠の祝福」を実演する日でもある。この行事は単なる祝典ではなく、王家の国民と国土に対するコミットメントを再確認するものでもあった。


王家の次男であるエリク王子は、興奮と畏敬の念が入り混じった様子で集まりの中を移動した。兄のダリアン王子が祝福の儀式を執り行うということで、彼の胸は誇らしげに高鳴った。王国全体が集まり、その目は称賛と尊敬に輝いていた。


王家の行列が入場すると、トランペットが到着を告げた。ロデリック王が先頭に立ち、その王冠は金よりも茨が多かった。マリエル王妃が続き、その微笑みは穏やかな旋律を奏でていた。そして、エリクの兄であるダリアン王子の鎧が、夕暮れの一番星のように輝いた。


儀式が始まると、群衆は静まり返った。ロデリック王は背筋を伸ばして厳かに立ち、マリエル王妃の気品がその傍らで心を和ませた。ダリアン王子は堂々とした態度で、自信に満ちた足取りで鎧を光に照らしていた。


「あ、兄さん。格好いいな」


思わず声が漏れたエリクの胸は期待でいっぱいになった。今日、王国は未来の王の力と約束を目の当たりにするのだ。


「きゃー」


しかし、儀式が頂点に達したとき、ダリアンを悲惨な変化が襲った。強さと確信の象徴であった王子が、突然萎んだのだ。かつては澄んで威厳に満ちていた目が、苦悩の嵐で曇った。神の力を誇示するためではなく、目に見えない邪悪な力の苦しみの中で、彼の体は痙攣した。その呪いは、彼らの血統が残した暗くささやかな遺産であり、最も破滅的な方法で現れていた。


これは儀式の一部ではなかった。呪い、何世代にもわたって一族を覆ってきた暗いささやきが、今、誰の目にもわかるように牙を剥いたのだ。これまで陰でひそひそと語られるだけだった呪いが、一年で最も晴れやかな瞬間に、紛れもない亡霊となって現れたのだ。


「なに?なにが起こったんだ」


群衆は息をのみ、その表情は畏敬の念から恐怖へと変化した。エリクの心は絶望のどん底に突き落とされた。陰湿なささやきだった呪いは、今や城壁にこだまする悲鳴となった。


パニックに陥りそうになったとき、マントをまとった人物が現れ、"立ち去れ "と命じた。この一言で混乱を唖然とした沈黙に導いた。ダリアンへの呪いの支配が緩み、王子は震え上がり、荒い嗚咽を漏らした。


一瞬にして空気が元に戻り、ダリアンも他の者と同じように困惑した様子だったが、落ち着きを取り戻した。観衆は安堵の拍手とひそひそ話に包まれた。ロデリック王の鋭く威厳のある目がフードを被った人物を見つめ、無言のメッセージが二人の間を行き交った。


この瞬間、エリクの世界は一変した。祝典は悲劇となり、自分たちの血統の影に捕食者のように潜んでいた呪いが公になったのだ。エリックは猛烈な庇護欲に襲われ、刃物のように鋭い決意を感じた。弟は、王国は、王子としてだけでなく、この突然の暗闇の中で希望の光として彼を必要としていた。


エリクはダリアンに目をやり、それからマントを羽織って去っていく人影を見た。彼の胸に決意が芽生えた。この謎を解き明かし、影を本来の居場所である暗闇へと追いやるのだ。


そうしてエリク王子は、若い心に決意を燃やしながら、祭りの光の中だけでなく、いばらの王冠のささやきに絡め取られた自分自身の物語の第1章へと足を踏み入れた。

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