第29話

「な!?……そんな……」

「グラウディウス、お前はここで待っていてくれ」

「はい……」

「わかりました。では行きましょう」

「はい」

そして、歩いて行くと

「着いたぞ」

「ここが……」

「ああ、教授様のお屋敷だ」

「では、入るとするか」

門番に話かける

「すみません」

「なんだ?」

「こちらの教授様に会いたいのですが……」

「アポイントはしているのか?」

「冒険者の店での依頼の件でここに来ているんだが」

「よく見たらキングゴブリンを連れているな」

「ああ、そうだ」

「じゃあ、こっちに来てもらうか」

そして、応接室に通される。

数分後

「待たせたな」

そこには、老人がいた。

「私は、教授だ」

「俺は冒険者のアキトです」

「例の上位種のゴブリンの件ですね」

「はい、そうです」

「じゃあ、早速見せてもらおう」

「はい」

「連れてきたまえ」

「はい」

「君達、ついてこい」

そして、地下の部屋に連れていかれる。

「では、頼む」

「分かりました」

魅了の魔術をかける。

「では、どうぞ」

「なんじゃこれは……今までの個体より知能が高い……それに魔力量も桁違いに多い……

これなら……ふむ、決めたぞ」

「何をですか?」

「このキングゴブリンは私が預かる」

「研究で死なせたりは?」

「そんなこと誰がするか!むしろ上位種のゴブリンは種がだいぶ減ってきておってな」

僕はキングゴブリンを見て

「そうなのか?」

「はい。なかなか上位種同士での交配が出来ないので、通常のゴブリン種では交配してもなかなか種を残せなくて」

(遺伝子的な問題かな)

「遺伝情報の問題でな、人間は〇〇人と〇〇人でも種はいくらでも残せるがゴブリンはそうともいかんのだ、だからそれを出来るようにしたいという研究だ。

死なせはせんよ」

話し合い結果はキングゴブリンを預けることにした。

冒険者の店へ戻り

このことを伝える。

「では、こちらが報酬です」

金貨一枚を受け取る。

「ありがとうございます。では、また何かあったらよろしくお願いします」

「はい、ありがとうございます」

「グラウディウス、帰ろう」

「はい、帰りましょう」

宿屋にチェクインする。

部屋に戻り

ソファに腰掛けて

「あの、キングゴブリン何とかなるのかな」

「大丈夫ですってアキト様。アキト様は本当にお優しいですね」

「そんなことはないと思うけどな」

ピコン

『謙遜』のレベルがあがりました。

(やべ、また上がったぞおい)

「これからどうするのですか?」

「うん?まず宿屋で食事だな」

「わかりました。アキト様」

食堂へ行き

夕飯を食べる。

『秋刀魚の塩焼き、納豆、肉じゃが、お豆腐、お味噌汁』が今日の夕飯だった。

(これもなかなかにバランス良き!)

「いただきます」

「では、いただきます」

2人で夕飯を食べる。

(うーん、生きててよかった。美味しい)

ピコン

『食に感謝』を取得しました。

『食に感謝』のレベルが上がりました。

(なんかレベル上がるの早くね?)

「ごちそうさま」

「お粗末様でした」

部屋に戻り

温泉に行く準備をする。

「さあ、グラウディウス!楽しいお風呂時間だ」

「はい。アキト様」

着替えとバスタオルを持って

温泉に。

互いに洗いっこを行って

温泉に浸かる

「ふぅ今日も一日お疲れ様」

「はい。アキト様……お疲れ様でございます」

ピコン

『温泉効果により体力回復、魔力回復、気力上昇、リラックス効果があります』

(おお、まじか!いいね~)

「グラウディウス、気持ちいいな」

「はい、アキト様」

「しかし、キングゴブリンが助かって良かったな」

「ですね!あのように考えてくれている方は研究者では初めてです。

研究論文を見ましたが『キングゴブリン』の皮膚から精子、卵子を形成するという研究だそうです。」

(ほう……こっちでも皮膚から精子、卵子を形成する研究がなされているのか)

「それほど驚いていませんねアキト様は」

「実はね僕がいたとされる世界にも皮膚から精子と卵子を形成する術を確立させているみたいなんだよね

マウス実験でもう確証はあると見たよ」

「あー、モルモットマウスですか」

「そう」

「上手くいくといいですね」

「そうだね」

温泉からあがりバスタオルで体を拭き

着替えて部屋に戻る。

ベッドに腰掛けると

グラウディウスが隣にきて

(キスとか強請られるかな?)

頭に手を置いて

撫で始める。

(っ……)

「ちょ、グラウディウス!?」

「たまには俺もアキト様を撫でたいただそれだけです」

(っ……うう……なんだろう……ドキドキする)

「はぁ~」

「ふぅ……」

頭を優しくなでる。

「アキト様、お慕いしております」

「僕もだよ」

「嬉しいです」

そして、グラウディウスの胸板に手を当て

「じゃあ、寝ようか?」

グラウディウスが僕に覆い被さる。

(え?)

そして、唇を奪われ舌を入れられ口内を犯される。


「ぷはぁ……はぁ……」


そして、そのまま押し倒される形になり 僕の服を脱がしていく。

「アキト様、愛しています」

ばしっ!僕は反射的にグラウディウスの頬を引っ叩いた。

「あ、アキト様……申し訳ありません。調子に乗りすぎてしまいました」

僕は無言のまま服を着替え

部屋を出ていった。

「アキト様!」

宿屋の壁に寄りかかり座り込む。

「はぁ……」

(落ち着け!落ち着くんだ!)

深呼吸をして、心を静める。

(何でこんなに動揺しているんだ?)

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