第12話:最終日に残る謎

 DAY14:最終日に残る謎

ついに今日は合宿最終日。卒業検定が受かれば帰宅となる。教習車には教員と生徒二人が乗り、片方が運転している時は、もう一人は後部座席に座る。


普段よりも緊迫した雰囲気の車内。

目視、ブレーキの調節も意識し、無事運転を終えた。

 翔君、礼央君、優樹菜ちゃん、真衣ちゃん、沙耶香、そして私。皆無事合格。


つまり今日この合宿所を去る。


部屋を片付けていると、沙耶香が私の部屋にはいってきた。

「今日でここも最後か。なんだか寂しいね」

ベッドに腰を掛けて沙耶香が言った。

「うん」

私も感傷に浸る。

「そうだ、やっぱり真衣ちゃんの彼氏、実在してた。真衣ちゃんが彼氏とラインしていたの。その時、彼氏が送ってきた自撮りの写真を私見ちゃった。疑って申し訳なかったわ」

「なんだ。勘違いだったんじゃん」

 そう言って私はキャリーケースのファスナーを閉めた。


「それがさ、彼氏、超イケメンなわけ。っていうか、なんか見たことあるの。なんでだろう」

その後も沙耶香はぶつぶつと独り言を言いながらスマホをいじっていた。


結局、最終日になっても真衣ちゃんの指輪はでてこなかった。

出発時間まで一時間あったので、ホテルにあるフリースペースの部屋で迎えのバスを待つ。

この部屋は自由に飲食物を持ち込んで食べたり、会議室としても使用可能ということだった。

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