人造人間は冒険者ライフを満喫する!?
ku-ma
第1話 〇〇よ、死んでしまうとは情けない。
「・・・ん! お・・・! お・さん! ・じさん!」
・・・ダレか が叫んでいる? 必死に 悲痛に 泣き出しそうに ダレか を呼んでいる? ・・・ダレだろう? 近くにイル のだろうか? マワリヲ 見渡しても ナニも見えない ・・・ああっ 泣かないで ヨケレバ おじさんも 探してあげるから・・・ ナ カ ナイ デ ・・・・・・
「おじさん!!!」
アア オレを 呼んでいるのか?
「お願い! 目を開けて! おじさん!!!」
暗闇の中 心地よい温もりを感じる オレは しだいに その温もりへと 引き寄せられていった。
「おじさん? おじさん! 良かった目を開けてくれた! わかる? 私のことわかる!」
泣きながら 必死に オレに語りかけてくる少女 ・・・
ああっ おぼえている おぼえているとも 君達を助けるためにオレは 命を懸けたのだから・・・よかった みんな無事のようだ。
「よ よか った みん な ・・だった よう ごほっ!」
声を出そうとするが次第に苦しくなり息が続かない。
「うん、うん、おじさんのお陰でみんな無事だよ、だからおじさんも・・・おじさんも ぐすっ・・・」
必死に泣くのを我慢し、オレの頭を抱き寄せ無言になる少女を他の仲間達が心配そうに見つめている。
誰もが彼女に声を掛けられないでいる、なんと言って良いのか戸惑っている。
まぁ、仕方ないよな・・・オレを信じてくれたのは、彼女だけだったから・・・他の仲間の皆さんからは初めから色々と罵られることが多かったし 見下されていたから。
・・・でも最後は彼女を助けることが出来た この世に生を受けて41年 とても刺激的で屈辱的な1年間だった!
世界の異変に巻き込まれ、手違いから色々恨まれ社会的に死ぬ羽目になり、年下の少女達にはゴミを見る様な目で見下され、危うく新たな扉を開き掛けるところだった!
でも彼女の仲間達は許す・・・だが! てめぇは駄目だ!
この
40過ぎの独身中年を手違いで魔法少女にしやがって!!
クーリングオフも受け付けないと抜かしやがった!
てめぇだけはいつか必ず後悔させてやる!
・・・更に気まずかったのは、本来魔法少女に選ばれるはずだった相手に知られてしまい・・・殺意のこもった眼差しで睨まれたり、悪意を込められて個人情報(一部の魔法少女が情報を漏らした)をネットで流され社会的に死んだ。
・・・まぁ、それもこれで終わる やっと やっとこれで楽になれる 彼女には悪いがおじさん、疲れたんだよ、もう物理的に死なせてください。
ああっ、意識が遠のいていく・・・必死にオレを救おうとしている彼女にかすれるような声で一言告げた。
『ありがとう』と。
そして、私の意識は暗転した。
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
『おお、我が僕よ! 死んでしまうとは情けない!』
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