【第一章】ケモミミ傭兵、シベリア封鎖区域でお仕事開始
【プロローグ】ここはシベリアでございます
ザッザッザッザッザッ……
寒い!急に済まないが寒い!それも仕方がない。なぜならここは冬のシベリア。あたり一面目が痛くなるほど白い雪が積もっている雪景色だ。
その前に、これを読んでる人に自己紹介しておこう。
僕の名前は月夜仁。狼系獣人の30歳。
顔が若干童顔のせいで中性的な見た目である。
髪は灰色で、耳と尻尾も灰色。人間の耳はない。同じ色のパーカーをよく着てる。
身長は169cmで、社内ではチビ扱いされてる。
お仕事は傭兵。
WBF財団の広報担当兼機動部隊「α-0」のスナイパーだ。
ただスナイパーといってもみんなが想像しているようなひっそり隠れて敵を狙撃する王道のスナイパーとは違う。どちらかといえばスナイパーの役割も兼ねている兵士って感じだ。
「あ、あと数百メートル。そうすれば施設内で暖をとれる!」
強気に言ってみたものの寒さはごまかせなかった。防寒対策にパーカーやインナーなどをいろいろ着込んでみたが、-40℃の極寒に耐えれるほどの効果はなかった。
「な、なんで…なんで
大声により森の鳥たちが飛んで行った。
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ここで説明を挟もう。WBF財団とは東ヨーロッパに本社を置く軍事系財団であり僕はそこの職員である。もともとは民間軍事会社だったものの、普通の民間軍事会社とは違った路線を歩んだのだ。
そして僕が今向かっているのは財団のシベリア支部「サイト5-5」(シベリア研究所)である。施設は半地下と半地上の構造となっていて、地下は主に駐車場や発電施設、データバンクがあり、地上は研究施設やそこで働く職員の寮がある。
そこでは主に銃火器に関する性能テストや新兵器の開発に必要な情報を集めたりしている。研究所と名乗っているものの、化学物質などを持ちいる研究は行っていないのである。
一言で僕がなぜそんな場所に向かっているのかというと「調査のため」
1週間前この場所では施設内部で建物が崩落する大規模爆発事故が発生したのだが、救助要請を受けて派遣された3つの機動部隊が音信不通になった。そして昨日、救助要請を送っていた無線も途絶えてしまった。そのため、消えた機動部隊の探索と内部の調査をするために僕を派遣したとのこと。
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『シンプルにお前ひとりで4人編成の部隊以上の戦闘力があるからだろ?』
彼はダスト。実体はなく僕の体内に存在する悪魔のような人物。僕が大学生の時代に取り憑いてきたが、完全に体の主導権を奪えれなかったのか、僕の二重人格のような存在になっている。取り憑いてきた理由は不明。いくら聞いても答えなかった。
「うるさい。それでも僕一人だけは問題あるだろ」
今僕の周りには、自分以外誰もいない。理由は簡単。ダストの言う通り、4人編成の調査部隊よりも戦闘力があり、人件費も四人分より一人分の方が安い。コスパで考えるならよさげな判断だと思うが、人道的に考えたらまったくよくない判断だ。
『無駄口をたたくな。それでも精鋭の傭兵か?新兵とでも名乗っとけ』
「はいはい。分かったよ」
寒さで力が抜けていた体に鞭を打って走り出す。ここから施設まではそこまで距離がないはずだ。さっさと仕事を終わらせて家に帰るぞ!
それではお仕事開始と行きますか!
任務開始 18:48
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