第5話 ゲームの行方、その先に

校門の前まで来た。

「...くそ。もう四人も殺されたぞ。」正直、悔しい。もっとうまく立ち回れなかったのだろうか。

「でも誰か一人でも逃げれたら勝ちなんでしょ?私は帰らせてもらうわ!」

「それは困るねぇ」

「また来たの…?今度は何…?」ひなたが身構える。『案内人』がまた現れたのだ。

「フフ、今度は僕が直々にお相手しようと思ってね」

「…お前の目的はなんだ?」僕は怒りを抑え込みながら問いかける。

「言っただろう?生死をかけたサバイバルゲーム。こんなにおもしろいものはないだろう?」

「…うるさい!」柑奈が校門に向かって駆け出した。

「君は確か…柑奈くんだったねぇ。だめだよ、協力しないと。それじゃあ僕に勝てないよ。」

なんと案内人が柑奈に発砲した。

「っ!」柑奈が倒れる。

「後は…『不思議系霊感女子』のひなたくんと『歴戦の指揮官』の史霧くんだねぇ。僕を楽しませてくれるかな?」

僕は、ある1つの結論を導き出した。

「…。僕がひなたの盾になる。だからひなたは校門から出て。そうすればすべて元通り。」

「…なら私が盾に…」とひなたは言いかけたが

「ひなたのほうが足が速い。あとは任せたよ。」僕はそう言い、ひなたの後ろに立つ。

「何をコソコソ話しているのかな?」

「走れ!」僕はひなたの後ろに立ち、走る。身長は僕のほうが大きい。だから、必然的に先に被弾するのは僕だ。

「まあ、そうするよねぇ。じゃあまずは…君からだ!」

肩が熱くなる。撃たれたんだ。倒れるな、何があってもひなたを守り抜け!

「なかなかしぶといねぇ。でももう終わりだ。」

心臓の辺りが熱くなったあと、目の前が真っ暗になった。



私は後ろで史霧くんが倒れる音を聞きながら走り続ける。校門はもうすぐそこ。でも…間に合わない…!こんなところで終わりたくないのに…!

「終わりだ。『不思議系霊感女子』のひなたくん。楽しかったよ。」

………いつまで経っても、痛みが襲ってこない。恐る恐る目を開け、そしてつぶやいた。

「なんで…?」

何と、力也やコジロウを倒したあの男が、私の盾になっていた。

「なんで……あなたが」

『案内人』が、驚いた顔をする。

「…貴様…なぜ…!」

初めて男が口を開いた。

「なぁ、余りにも一方的すぎねぇか?このままじゃテメェの勝利がほぼ確定だ。それじゃあ、つまらねぇだろ?」

「…面白い!面白いよ!!やはりゲームは、こうでなくっちゃあ!!」『案内人』が銃を撃つも、ビクともしない。何が起こったか良くわからないが、校門を走り抜けた。



「『不思議系霊感女子』霊野 ひなたの脱出を確認。ゲームを終了します。」無機質な電子音がゲームの結果を告げる。

白い光に包まれ、私は意識を失った。




私はその後、普段と変わらない日常生活を送っている。あのゲームの記憶があるのは私だけのようだ。みんな普段と変わりがないもの。コジロウと力也はいつものように喧嘩しているし、花子は怒ってる柑奈をなだめている。徹也と史霧は次の授業について話していた。こんな事を周りに話しても誰も信じてくれないだろうし、このことは私だけの秘密にしておこう。こうしてこのゲームは終わったのだった。



夜の街を歩く二人組がそこにあった。

「まさか君が裏切るとはね。さすがの僕も想定外だ」そう言って『案内人』は笑う。

「だってお前があまりにも強すぎるから、仕方ねぇだろ?あのまま終わるのはあまりにもつまらなさすぎる。あれじゃあ面白くねぇよ」

「フフ、言ってくれるね。確かに今回のゲームは僕が強すぎたかな?」

「ああ、俺が寝返らなきゃお前の勝ちだったよ」

「分かった。考慮するよ。次からね。」

「全く。飽きねぇもんだな、お前も。」

「まぁね。さて、次のゲームの構想を練ろうか。また協力、よろしく頼むよ?」

「はぁーあ。ハイハイ。」


そして彼らは「この世界」から姿を消した

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7人の中学2年生が命がけのゲームをする話 @poppy_yossy

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