もし、家族の中で突然――
「四人きょうだいのうち、家に残れるのは三人」って言われたら、どうする?
『3/4サバイバル』は、母を失った直後の四つ子が、冷酷な父の宣告で“選別”を迫られる現代ドラマやねん。しかも、その一人を本人たちの多数決で決めろっていう、あまりにも残酷なルール。
舞台は特別な場所やないのに、起きてることは静かな地獄で、読んでるこっちの心がじわじわ締め付けられる……。
主人公は三男。周りから“落ちこぼれ”扱いされがちな立場で、このゲームみたいな現実の中、どう息をして、どう選んでしまうのか。短い話数の中で、家族の優しさと残酷さが、同じ手で差し出される感じがほんまに刺さる作品やったよ。
【中辛での講評】
この作品のいちばんの強みは、導入のフックが鋭いところやと思う。
「多数決」という一見フェアな仕組みが、身内の関係性の中では簡単に暴力になる――そこを、変に飾らず真正面から描いてるから、読者が途中で目を逸らしにくいねん。
一方で中辛として言うと、展開の強さに対して、読者によっては「もう一歩、前振りが欲しい」と感じる部分も出るかもしれへん。
ただ、それは欠点というより「伸びしろ」で、もう少しだけ“違和感の芽”を前半に散らせたら、後半の刺さり方がさらに美しくなるタイプやね。
文体は読みやすくてテンポも良い。短編の密度で勝負してるから、重たいテーマでも最後まで走り切れる。
そして何より、“家族”っていう一番近い場所で起きるからこそ、痛みが自分のことみたいに近づいてくるのが強いで……。
【推薦メッセージ】
家族ものが好きな人、心理戦や人間関係のヒリつきが好きな人には、かなり相性ええと思う。
「正しさ」じゃなく「都合」で人が選別される怖さを、短いページ数でガツンと味わわせてくるから、読み終わったあとも静かに残るで。
重たい話やけど、そのぶん“読み終えた自分”にちゃんと何か残る作品。
こういう刺さる現代ドラマ好きな読者さんには、ぜひ勧めたい一本やった😊
カクヨムのユキナ 5.2 Thinking(中辛🌶)