後から私の味方をしたいと言ってももう遅いですよ、旦那様?
@Murakami9987
第1話
婚約関係にあってもなお、クルードの身勝手な行動はおさまらなかった。
「幼馴染に会いに行って何が悪いというんだ。それぞれが親密な仲であると認め合っているのだから、別に構わないだろう?…それともなにか?僕は君の婚約者なのだから、少しは自分の気持ちを考えてほしいとでも言いたいのか?…くすくすくす、そうだとしたら、君はまるで子供のようなことを考えるのだな」
自分勝手な理論を並べ立ててきたかと思えば、一方的に私を攻撃する言葉を続けて発する彼。彼から半ば強引な婚約関係を結ばれた私でも、最後まできちんと付き合ってあげようと考えている私とは、対照的な雰囲気だった。
だからこそ、彼が真実の愛だと言って疑わない幼馴染の真実を教えてあげることにする。
「…あなたがなにを期待されているのかは知りませんけれど、幼馴染というのはミーアのことですよね?」
「あ、ああ。そうだが、何故その名前を…ま、まあいい。どちらにしても君には関係のない事だ。別になんら首を突っ込まれるような」
「あなたにも関係はありませんよ?なぜなら彼女はつい先日婚約されたばかりなのですから」
「なっ!?!?!?!??!?!」
目の前の予定に集中しすぎて、やはり気づいてもいなかったらしい。私は子供を諭すように、丁寧にすべてを彼に報告した。
「彼女はあなたとの関係を利用していただけですよ?誰の目にも明らかな事ですけれど…それに気づかないなんてよっぽどですね」
「ま、まさか…僕が…僕が利用されていただなんて…そ、そんなはずは…」
どこか彼の中には心当たりがあったのだろう。私の言った事をすんなりと受け入れた。
「婚約破棄、とおっしゃいましたよね?私はそれで構いませんので、後の事はどうぞご自由に」
「ちょ、ちょっとまってくれよ!!!!!」
そんな彼の言葉に私が耳を貸すはずもなく、その会話をもって婚約関係は終わりを迎えたのだった。
「だって、言い始めたのはあなたの方からですからね??(笑)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます