二〇二四年黄金週間の不完全燃焼(痛みは惜しみなく奪う)

 連休明けだね。ブルーかい?


 しかし……アレだ。僕はこの連休はこよみ通りのお休みだったのだが……もうね。

 足がサァ! 痛くてサァ。踵骨が痛くてサァ。

 俺さ、カカトの骨さ。これちょうど10年前に、粉砕骨折しているのだ。

 しっかり形成手術したかったよ。だが術前に血液から何かよろしくない菌が見つかったらしく、ヒドイ感染症になるとすごくヤバいやらの理由で、不本意ながら保存療法になってしまった。突起した骨は削ってもらったけどね。

 そして10年足らず痛みもなくガシガシ歩いてたのだが、急に痛みが出てね。今までも疼痛くらいはそりゃあった。〝むずむず〟な痛み。これは雨の日とかあるあるじゃん? 古傷がむずむず痛いのは。そりゃま、その点コナゴナに砕けたんだからな。そのぐらいあるさ、どうってことない。

『人間には215本も骨があんだよ、1本ぐらいどうってことねェ!』

 というセリフを何処かで聞いた気がする。なんだっけ元ネタ。

 俺に至ってはこう決めたい。

「このカカト、数十個に砕いて一つに固めたんだぜ。むしろ頑丈に決まってる」

 と。


 それが四月に入ってから、なにやら四六時中ひどく痛むようになった。いわゆる灼熱感の痛み。プラス鈍痛。お医者さんに説明するとき〝ヒリヒリ〟と〝ズキズキ〟系の表現するやつだ。

 これ系、いままで無かったのだが。聞いてないのだが。すごいツライのだが。

 特にヒリヒリ君にいたっては強烈で、骨をライターで直接あぶられてる感覚。でも腫れてはいない。んでさァ、そのまま連休に突入したのだよ。 

 寝てたよ。そら寝るわ。ずっと寝るわ。昼も夜も寝るわ。足を浮かせて寝る。ロキソニン飲みすぎて胃が荒れて吐いた。食欲は全くなかったが、こういうときタンパクを切らしたらいけない気がした。レンジでゆで卵作るヤツ引っ張り出してね、ちょくちょく食べてた。

 はい、最初の三日間はこれでオシマイ。寝てオシマイ。三連休オシマイ。


 やりたいこといっぱいあったのに! AC6とか。しかもいつの間にか私の女はARKとかいうゲームをダウンロードしていた。これ超面白そう。でもできない。その気にならない。

 それに何が良くないってね、こうなると人間は気が立ってくるか暗くなるかなんだ。飛び石連休合い間の出勤。イライラしながら剣呑な目つきで過ごした。

 これを我慢すればまた四日間の休みがあり、幸い悪化だけはしていない。家にこもればゲーム三昧くらいできるかもしれない。

 ところがそうは問屋が卸さなかった。

「ねえ、福岡の義家じっかに帰らない?」

 と私の女が言いやがった。

「福岡よしもと劇場に行きたい」

 ああ平穏に過ごしたかった。がもうこうなると……。彼女は、笑い飯の漫才を以前からライブで見たがっていた。今回は福岡ライブにバッチリ出演。

「アハハ……そうだねそうしようね」

 と俺は言った。本能が思考より早く快諾していた。

 はしゃいでいる女性をしらけさすほど野暮じゃないぜ? などと格好つけたいトコロだが俺は知っている。コレは水を差さない方がいいパターンだ。実質、拒否れないパターンだ。すでに推進剤に火がついている。渋るとものスゴイ不機嫌になり冷戦になり、根に持たれる案件である。

 あーあ……。駅だとか劇場だとか、なんだかんだで歩きまわるよ。痛みが悪化しなければいいなー。……とボケーっと考えていると数時間のうちに新幹線とお笑いライブのチケットが手配されていた。さすが三姉妹の長女、仕事が早い。知らんけど。

 まあ確かにね、親の顔は見れるときに見ておくべきだよ。理性はそうも言ってんだけどね。

 

 一日目(20240503):移動。夕方に博多着。両親にさんざんイジられながら鍋をふるまわれる。ごち。


 二日目:両親にさんざんイジられながら朝食。

百道の劇場へよしもとのライブを見に行く。昼食をはさんで、二講演分見る。コンビ名と顔が一致しないのがたくさんいる。


 あっ! あのな。俺は2公演見たから、ほぼ同じメンツを2周したわけだ。同じネタを日に二回やった芸人。毎回いるよな。嫌われるのそういうトコやぞ。

 だってさぁ。一日の出番はせいぜい4回ぐらいだろ? プロなんだからネタの四つ五つくらいは、さすがにあるだろ。じゃあせめて日替わりにしろよ。別日ならまだ納得いくんだよ。同じネタをその日のうちに何回もやるなよマジで。印象悪いぞ。

(あーあ、コレさっき見たやつやん)

 と絶望した客は確実に君たちを恨む。俺は恨んでいる。面白さ以前の問題だろう。なんとかしろ。客はオマエラのお母さんではない。芸人の事情など知らん。

 でね、お目当ての笑い飯。二回とも、彼らはラストにでてきた。実績もあるし芸歴長いもんね、そりゃトリだよね。ただ途中のゲームコーナーみたいな大喜利も含むと、一公演は90分くらいあるのだ。笑い飯が登場する頃には、俺はすでに笑い疲れていた。ハイスピードダブルボケツッコミを聞き取るのでかなり精一杯だった。あんまりウケる余裕なかった。

 音響がイマイチだったせいもあるね。マイクのせいかスピーカーのせいか知らんが聞き取りにくい。逆にトップの方がいいと思う笑い飯。集中できる。

 夕飯。両親にさんざんイジられながらバーベキュー。就寝。


 三日目:両親にさんざんイジられながら朝食。長生きしろよ畜生。

 ちなみに帰る日。このままおめおめと引き下がってたまるかよ。俺は実家の物色を開始。

 以下、戦利品。


・ツェッペリンのペストと海賊版

・ニルヴァーナのベスト。これ俺が買ったヤツやん。うっわぁ……父親と俺のCDが混じってしまってる。なんてこったァ。

・フライングエレファンツの1stアルバム、2010年代らへんに出してたインディーズアルバム2枚。

・他、イルマレコードのイージーリスニングなどCD多数

・15年くらい前のガチャポン。金田がバイクに乗ってレーザー砲持ってるやつ。未開封。たしかこれ、かぶったから組み立てなかった。


 書籍はあきらめた。多いし重い。

 しばらく家でガンガン音楽かけながら遊べるけどなにこの。これ。全然休んでない感。痛いし。なんかこの鬱憤で今、筆が走ってる。

 土曜、病院いこ。

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