第5話 2回目だぞこれ
俺は今、遊園地で駆け回っている。
何故って?それは玲奈とはぐれてしまったからである!
俺が少し目を離した時にどこかに行ってしまったのだ!
「どこ行ったんだよ!」
さっきまでは楽しくアトラクションで遊んでたのに!
そんな愚痴をこぼしながら走っていると、トイレの裏から聞きなれた声が聞こえてきた。
「手を放してください!」
「俺とキモチいい遊びしようぜ~ゲヒヒヒヒ」
「嫌です!放してください!」
2回目だぞこれ!
クソメンドクセー!
ヤンキーどもなんかが俺の玲奈に絡むんじゃねえよ!
そして変な遊びに誘うな!
「助けて、りょ、、う、、、く、、、、ん」
「おい大丈夫か玲奈!」
玲奈から反応がない
「おいお前!玲奈に何をした?」
自分でもびっくりするくらいドスの利いた声が出てきたんだけど
「あぁん!うるせぇなぁ!ちょっと頭打っただけで倒れるとか弱ぇ~なこの女!」
はっ?
「今なんて言った?」
「ちょっと頭打っただけで倒れるとか弱ぇ~なこの女って言ったんだよ!」
どんどん俺の中からどす黒い‟何か„が溢れ出てくる。
「人の女に手ぇ出してんじゃねぇぞ!」
「知るか!このボケが!」
ほおほお、そういうこと言うのか~
へぇ(^_^メ)
「人の女に手を出してるほうがボケだろうが!その言葉そっくりそのまま返してやる!」
「あぁん!」
「彼女ができないからって、いちいち人の女をナンパってじゃねぇ」
「うるせぇ!俺は今からあいつとキモチいい遊びをするんだよっゲヒヒヒヒ」
プチッ
俺の中で何かが切れた音がした
♢
気づいたら目の前に顔面がほぼ陥没したヤンキーの男の姿があった。
ちょっと切れすぎたな~~~あはははは~
それより
「玲奈大丈夫か?」
ゆさゆさ
「う、うう」
「よかった起きた~」
「涼くん!」
ちょっいきなり抱き着いてくるなよ!
可愛すぎて俺の理性が紙切れのように飛んで行ってしまう!
「ごめんなさい」
「もう俺とはぐれるなよ!」
「分かった」
「ならよし!よいしょ!」
「えっ!?」
「えっじゃないだろ!頭打ったんだろ?病院行かなきゃ!」
「でもお姫様抱っこは少しいやっだいぶ恥ずかしいっ」
「じゃあ歩くか?」
「うっ・・・歩けないです」
「だろ?少しの我慢だ!それとも俺に抱っこされているのが嫌なのか?」
「嫌じゃないけど~」
「まぁいい、さっさと行くぞ」
「う、、、ん、、、、、、、」
病院まで最短の道が大通りだということに気づいた時にはもう遅かった。
周りの人が微笑ましい笑顔でこっちを見てきたことは言うまでもなかった。
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