転校してきた完璧美少女が俺の許嫁でした。

葉暮トワ 猫部所属

第1話 「そ、う、、か」

 高1の春が過ぎ、高2の初夏

 男は一人、授業中にボーっとしていた


 僕の名前は碓氷 涼うすい りょう、高校2年生で陰キャだ。

 幼馴染の北山 安奈きたやま あんなと付き合っていた。

 ある日、安奈はアイドルにスカウトされた。安奈がおかしくなっていったのは、その日からだ。アイドルにスカウトされたからと調子に乗り始めて、陰口、パシリなどのイジメをし始め、周りからの評価は地に落ちたかと思われたが、みんなが安奈と同じようにイジメをするので、一部の人間にしか嫌われていなかった。

 そんなんだけど僕は安奈が大好きだった。

 そんなことを考えているとちょうど安奈からラインが来た。


『放課後、○○公園に来て話があるから』


『分かった』


 何の話かな~?と思いながら授業を受けた。

 不吉なことに、授業中に定規が壊れてしまったことは考えないようにしよう。



 放課後



 明日から休日だからデートでも行こうかな~と考えながら○○公園に行くと、安奈と誰かが先に待っていた。


「待たせてごめん、それで話とは?その人誰?」


「私が呼んでんだからさっさと来いよ!」


「えっ」


「お前と私って釣り合わないじゃん?だから隆平りゅうへいと付き合うことにしたの」


「そ、う、、か」


「じゃっバイバイw」

「さようならw」


 自分でもそんな気はしてた

 僕と安奈じゃ釣り合わないってことは

 幼馴染なだけで僕と安奈が付き合える要素はそもそもなかったのだ

 僕はすぐに家に帰って泣いた

 泣いたのは久しぶりだった


「涼、リビングに来い」


「・・・分かった」


 なんでかは知らないけど、お父さんに呼ばれた。・・・いつも忙しくて居ないのに今日はお父さんいるんだ

 いつもはいて欲しいと思うのに、今日はいて欲しくないな


「私はお前に謝らなければいけないことがある」


「どういうこと?」


「実は明々後日からお前の学校に転校生が来るのだが、その人、清水 玲奈しみず れいなはお前の許嫁なんだ」


「・・・はぁ?」


「すまんが、お前は玲奈さんと明日から二人で暮らすことになる」


「・・・」


「だから今のうちに荷物をまとめろ」


「、、、いや意味が分からん!許嫁っていつの時代だよ !好きな人と結婚できないからやだよ!」


「決定事項だ!異論は求めん!」


「なんなんだよ!僕の意思は関係なしかよ」


 もういいや、僕は振られたんだ。僕にはもう何も無い。空っぽだ。もう、なるようになれだ。


「はいはい、分かったよ

 準備しておく」


 僕はこれからどうなるんだろう?

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