異世界音楽譚

月夜アカツキ

プロローグ

 ボクが魔力を込めるとあたりにドラム、電子楽器の音色が鳴り響く。

 それに合わせるように隣の二人がピアノ、ギター、ベースの音色を重ねる。

 それによって一つの魔法が奏でられる。

 正面の魔族を中心に奏でられた魔法は、あたりの風景を一面の平原へと変えた。

 夜空に瞬く星々が流星のように流れ始め、あるものは魔族へと降り注ぎ、あるものはボクたちの力となる。

 風がボクたちを空に飛ばせる。

 流星とともにボクたちは星の剣を手に魔族へと迫っていく。

 これできめなきゃボクたちに勝ち目はない。

 一撃、一撃、また一撃・・・

 反撃の隙を与えることなく繰り返し攻撃を重ねていく。


 ここはエネルジコ王国。

 音楽で魔法を奏でる国。

 この世界に来たばかりのころは、まさかこんな命を懸けた戦いをすることになるとは思わなかった。

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