龍の娘とワガママお姫様 第二部【りゅうひめ】
銀龍
序章(プロローグ) 【前世と始まり】
わたしはあなたと一緒ならどんな世界だって幸せだよ……龍耶
『ガハッ…グッ…ア゙ア゙ッ……』
『龍耶っ!!!』
『ダメッ…!!にげ…て…祈織…っ…。ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……』
『嫌よ!あなたを置いて逃げるなんてっ!!!あなたがこの世を滅ぼすのならわたしはあなたと一緒にっ……!!!』
『ふふふ…お姉様の魔力が見る見る内に高くなっていくわ♡』
ダメ…このままじゃ私は人として壊れていく。目の前には今でも泣き出しそうな祈織の姿があった……そんな悲しそうな表情をしないで私の愛する女(ひと)
『祈織…このままじゃ私、あなたと一緒居られない。あなた…だけでもお願い…逃…げて……。ガッ…ハッ…!!ぁぁァァ…!!!!!』
『いや…!りゅう!!りゅうぅぅぅ!!!』
私は最後の理性を押し留めて祈織に伝えた…。後悔をしない為に
『祈…織…。この世界であなたに出逢えて本当に良かった。次の世界でも出逢えるのならまたあなたに出逢い。あなたに恋をしたい。私の初恋のあなたに…。今度は結ばれたいな。祈織…ありがとう。愛してる…そしてさよなら私の運命の女(ひと)』
人としての自我と理性の糸がプツリと切れた…その瞬間、祈織は私の近くに来ていた。そう零距離で
『そんな寂しいこと言わないで…。あなたを一人にしないわ龍耶。わたしがあなたと共に…あなたの側で…次の世界はきっと…絶対に幸せになりましょ。誰にも邪魔されないわたしとあなただけの世界でずっと…ずっと一緒だからね龍耶。わたしも愛してる』
祈織は私に想いを伝えると唇で私の唇を塞いだ。それと共に眩い白い光が辺りを照らし、私と祈織を包み込んだ。あぁ…これは滅びの光だと瞬時に分かった。祈織は最後は笑っていた。その記憶を最後を視界がプツリと…切れた
────────────────────
数年後の世界
〖ー…おきて…りゅ…朝だよ…お…ぃ…ー〗
ん〜…なんか懐かしい声が聴こえる。この声…私がよく知ってる声だ。…愛龍母さん??シオン母さん??グラス様??いや…違う。もっと大切な人…。そうだこの声は………
『…祈織?』
『あーやっと起きた。魘(うな)されてたから心配したんだからね。大丈夫?』
『えっ?あぁ…うん。なんか怖い夢?いやあれは現実味を帯びた夢だったかしら…』
『そうなの?どんな夢?』
『うん。聞いて驚かない?』
『夢の内容にもよるかな』
『わかった。心して聞いて…ね?』
『わかったわ』
私は祈織に夢の内容を事細かく教えた。祈織の返事は意外な返事だった
『それって前世の記憶なんじゃないかな?わたしにもその記憶あるし…しかも鮮明に覚えてる。あの記憶は絶対に忘れちゃいけないって魂が言ってるから』
『なるほどね…。私が魔力全解放して祈織を巻き込んで世界が滅亡したって言うのも怖いけど…。何よりも大切な祈織までも……』
『わたしね。あの時、龍耶が心の中で泣いてるのが分かってたの。だからあなた一人だけをしたくないって。それならわたしとなら寂しくないだろうなぁって…。それにね?龍耶と一緒なら共に滅んでも悪くないかなってね♪』
『祈織、あなたってほんと…』
本当に面白い女性(ひと)。面白くて優しくて時々勇敢で素敵で私に愛を教えてくれた女性(ひと)
『ん??』
『可愛くて私の自慢の嫁ね♪ふふっ』
『えへへ♡』
私は祈織の髪を優しく愛しそうに髪を撫でた。祈織は嬉しいのか凄く可愛い表情をして笑っていた。あぁ…可愛すぎるわ祈織。そんな事考えてると祈織は……
『ねぇ龍耶』
『なに?祈織』
『こっちの世界でもよろしくね♪大好きだよ龍耶♡』
『えぇ♪こちらこそよろしくね。私も愛してるわ祈織♡』
『あ〜ずるい!わたしも愛してるからね龍耶ぁ〜!!』
『ふふっ…。えぇ♡』
これはとある龍の娘とお姫様が数年後の世界に転生して幸せに暮らしてる心温まるお話の序章(プロローグ)である
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます