相◯食堂・あいうら凱旋旅行編② #感動の再会って大抵うまくいかないものでして
「あー……先行き不安やけど、続き再生するか」
「流れに身を任せるしかありませんわ」
【映像再開】
ふたりは夜の東京駅…………もといホテルで2時間ほど休憩し、今度は普通に東京駅から東北新幹線で北へと向かった。
『とうちゃく!!仙台!!』
『東京から1時間半で着くんだね!はやかった』
『隣でこの子はぐーすか寝てました』
『よーし!そんじゃこのまま水森まで行っちゃうぞ!』
『あ、とりあえず仙台でご飯食べるよ。牛タンは意外と割高だから駅ナカのハンバーグ屋さんね』
『あれ?水森ってここから1時間くらいで着くんじゃないの?そこまでお腹空いてないから、水森着いてから食べよーよ!まだ14時なってないんだし』
『3時間』
『?』
『ここからはあたしがレンタカー運転するんだけど、仙台から水森まで3時間弱かかります』
『…………!?』
『ちなみに高速道路使ってそれです。下道だと4時間くらいかかるかも』
『…………電車とかないの?』
『大火災のせいで2つある鉄道路線の片方が撤退しました』
『…………不便じゃない?』
『仙台水森間より仙台東京間の方が早く着くので、水森は実質東京』
『…………どうやって仙台行くの?』
『もう片方の路線で仙台行こうとしたら3時間かかるくせに往復一万円するので、水森市民は諦めて半額以下の高速バスを使います。しかもそっちのほうが早く着く』
『何その悲しきライフハック』
『ついたあだ名は「陸の孤島」。海沿いにあるからあながち間違ってない』
《ちょっと待てや!!》
「田舎ってヤバいんやな…………」
「そんなもんですわ」
「大阪と東京にしか住んだ事無いから分からんかったわ」
「わたくしのキャバ時代の店長がよく口にしてた言葉がありまして」
「ほぉ」
「『ニューヨークやロンドンより、長野の山奥や東北の僻地の方が遠いんだぞ』と」
「ほんまの話なんやな……怖いわ…………」
「まるで海外によく行くことを自慢しているようで腹が立ったので、2年後にその店の向かいに同業店舗をぶつけて潰しましたわ」
「いやごめん、アンタの方が怖いわ」
コメント
・草
・水森トークかましてきて草
・早口になってて草
・元とはいえ水森の救世主が口走って良い内容ではない
・宮城県民ワイ、水森市が岩手か宮城かよくわからない
・岩手県民ワイ、水森市が岩手か宮城かよくわからない
・シュレディンガーの水森で草
・花いちもんめで押し付けられてるみたい
・水森市民ワイ、全国ネットの番組で『岩手県水森市』『宮城県水森市』の表記揺れが日常茶飯事すぎてよくわからなくなる
・自信もてよ…………
・一番ヤバいのは高速バスが鉄道に全勝ちしてる点
・福岡かな?
・沖縄かな?
・沖縄は鉄道じゃなくてモノレールしか通ってないやろ!いい加減にしろ!
・水森も実質鉄道は死んでるんだよなぁ……
・店長の名言風クソ発言で草
・意識高そう
・なお黒野るるさん(女帝)
・とことん悪役のムーブで草
・IAP考察スレに降臨した同業者から総じて畏怖されてたの草
・『可愛い顔してるくせに刺青チラつかせてガチで脅してくる女』とのこと
・怖いよ…………
・なんで若旦那はコレを余裕で手懐けてるんだよ…………
・コレを最近オフコラボでイジりまくっている田舎のアイドル(笑)が居るってマ?
・グミちゃん…………命怖くないんか…………?
【映像再開】
『あー!!やっと着いたぁ!!』
『やっぱ水森遠いわ。よくあたしこんな場所に住んでたな』
『ここが水森駅だね!!』
『てかうらら水森来たことあるらしいじゃん。なんで遠いこと覚えてなかったの?』
『それは…………愛璃っていうか、花桜莉ちゃんのことしか考えてなかったから!!距離とかどーでもよかったもん!!』
『ん?今すぐ抱いてやろうか?』
『ストップストップ!確かこの場所で誰かと落ち合うんじゃなかったっけ?』
『あー、そうだそうだ。水森の観光協会の人がサポートしてくれるから、これから夜ご飯を一緒に食べることになってたはず』
『どんな人だろ?めちゃめちゃ訛ってる人かな?愛璃の知り合いかな?』
『あたしも誰が来るかは分かんないよ。けどあたしの知名度的に、あっちには知られてそうな気が…………』
駅前で話す2人に、近づいてくる人影。
『こんにちは!観光協会の者です!
愛璃さんとうららさんですか?』
気さくな声にカメラを向けると、そこに居たのは―――
『いや、誰ぇ!?』
NBA選手みたいな、陽気なアメリカ人の兄ちゃんだった。
《ちょっと待てや!!》
《ちょっと待ちなさいな!!》
「何!?何なんや!?」
「いきなりぶっこんで来ましたわね…………」
「洗礼か!?これが水森の洗礼か!?」
「流石は愛璃さんを産み出しただけありますわ」
「コントなんか?コント見せられてるんか?」
「港町だから外国色豊かですのよ」
「だからって急に厚切りジ◯イソンとかア◯クぬわら的なお兄さんが出てくるとは思わへんやん」
「ダイバーシティですよ、ダイバーシティ」
コメント
・www
・最強のツカミで草
・陽キャアメリカ人出てきて草
・うららのリアクションまで完璧なの草
・なんで観光協会にアメリカの人おんねん
・多様性の塊すぎるやろ
・流石は江戸川愛璃の故郷
・ヤツを産み出した土壌だ、何でもありなんや
【映像再開】
『どうも、水森観光協会のニジェールと申します。ぜひお二人にお会いしたかったです。なんでも、愛璃さんは水森出身なんですよね?素敵だ〜』
『鈴堂うららです!よろしくお願いします!
…………ねぇ愛璃、この方めちゃめちゃ日本語ペラペラじゃない?礼儀正しいし』
『そりゃそうでしょ。ニジェールって10年前から日本、っていうか水森にいるし』
『え?愛璃の知り合いなの?』
『中学校の時の英語の先生だよ。その時から日本語上手だったんだ〜』
『すごい!!運命的な再会だ!!』
『最初見た時すっごい驚いたよね。ニジェール全然変わってないじゃん!!って。
ニジェール、あたしのこと覚えてますよね??(キラッ☆)』
久しぶりの再会にテンションが上がり、ウインクまでかます愛璃。
それを受けたニジェール氏は………
『…………あれ?貴女が愛璃さん……ですよね?
僕の知ってる愛璃さん、というか歌川さんって、もう少し清楚でキレイな方だった気が……。こんな遊んでそうでゴチャゴチャしてて幸せ掴めなさそうな金髪ギャルが歌川さんだとは、とても思えません』
『フ◯ック!!!!あんたとの思い出全部吹き飛んだわ!!!!』
《ちょっと待てや!!》
《ちょっと待ちなさいな!!》
「恩師に暴言吐くな!!!!」
「恩を仇で返すのはやめなさい!!!!」
コメント
・草
・最高
・面白すぎる
・客観的に見ても清楚は否定されましたね
・踊ってみたで公開した現在の貴女のビジュ、どこからどうみてもヤ◯マンギャルなんですがそれは
・少なくともあの頃の歌川花桜莉ではないですね
・そーいう暴言簡単に吐くからこうなったんだよ
・礼儀正しいフリして毒舌なの草
・江戸川とクッソ相性良さそう
・グッバイ、青春の思い出…………
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