IAPオールスターフェスティバル② #選手入場ってもう少しかっこいいハズなんです

【青龍】板野結華、井ノ内まもり

【朱雀】若村つぐみ、江戸川愛璃

【白虎】黒野奏、富士宮時子

【玄武】黒野るる、鈴堂うらら



おー、なるほど。あたしは若奥様とペアか。

暴走癖がネックだけど、それをコントロールできれば、こういう企画では間違いなくTier1だ。芸人で言うところのザ◯シショウ的な。

あたしもTier上位レベルだと思うし、朱雀ペアは間違いなく優勝候補。きっと日頃の男運の揺り戻しだね……(遠い目)。



そんな事を考えていると、若奥様が大きく手を振りながら近づいてきた。

こういう可愛いことナチュラルにできるから、変人のくせに若旦那がベタ惚れなんだよなぁ。あたしには何が足りないのだろう。ぴえん。



「やった〜!!私、アイリちゃんと組みたかったんだよ」

「奇遇ですね。あたしもです」

「アイリちゃんが沢山もってる良いところ、今日もいっぱい見せてね〜」

「そんなこと言われたら照れちゃいますよ。本気出しちゃいそう」

「そして私はネズミーリゾートのペアチケットを手に入れる!希とデートする!」

「本気出す気失せちゃいそう」





「よし。ペアが決まったところで、今回の対決内容を公開すんぞ!!」



【一回戦:スポーツチャンバラ対決!


 二回戦:ペアで協力オセロ対決!


 三回戦:演技力対決!】



「トーナメントで優勝を決めて、1位に3ポイント、2位に1ポイントが与えられるぞ。その合計点で優勝を決める感じだな。

 一回戦と三回戦は各チーム1人ずつだから、どっちがどっちに出るか相談しておいてくれ」



コメント

・全然ジャンル違うな

・スポーツはうららが強そう

・流石3Dをフル活用できる技術力だ

・オセロは……誰が強いんだろ

・ペアとか言いつつ青龍以外の各組にデバフがいるんですが

・朱雀=バカ、白虎=ポンコツ、玄武=アホ

・朱雀のバカってどっちのこと指すんですかね……

・そりゃ両方に決まってんだろ

・演技力はほぼ時子の勝ち、ワンチャンあるとしたらコントもやってた板野

・江戸川も演技対決に出れば戦えはするだろうけど……。運動系に若奥様が無理して出るとは思えんわ

・一瞬で朱雀が最弱候補に成り下がってて草

・そういえばなんでスポーツチャンバラなんだろ?運動系なら他にもあるだろうに

・ヒント:若旦那の好きな漫画は家◯教師ヒットマンREB◯RN!

・ヒント:若旦那の好きなキャラは山◯武

・こないだ若奥様の配信中に『時◯蒼燕流、攻式八の型!篠◯く雨!!』っていう声が聞こえてトレンド入りしたんよなぁ

・ほんまこの理事長はさぁ……。

・自分の事務所私物化しすぎでは?



そして、各々がオーダーを決めたのち。

オールスター企画は、遂にスタートを迎えた。



「それでは早速、IAPによるボ◯ゴレリング争奪戦を開始する!!」

『いえーい!!!ふーふー!!!』



「まずはチャンバラ対決から行くぞ〜。

 出場選手は前に出てきてな…………っておいおいマジかよ」



見るからに動揺している若旦那を尻目に、チャンバラに挑む剣士たちが登場する。

………ふふっ。あたし達には秘策があるんだ!!



「…………こほん。それでは選手紹介です」



「まずは青龍。

 お前なんでこの戦いに出てきたの?お前がこの熱き戦いで生き残れると思うのか?健康に気を遣わない運動習慣ないで勝てるわけねぇじゃん。

 お部屋の防人さきもり、井ノ内マモリ!」



「最後に勝つのは儚い白衣の天使よ」



「次に白虎。

 ……うん、チャンバラ握って楽しそうだね。俺はその姿が見れてとても嬉しいよ。けどそれはDX日◯刀じゃないからな?鬼◯の刃の真似しても音声は出ないぞ?

 お兄ちゃんにはなれない剣士、黒野カナデ!」



「心を燃やせ!!!」



「お次は玄武。

 心技体に不足なしの優勝候補。たださ、なんで当然のように新撰組のコスプレを着てるのかな?さては事務所に置いてたヤツだろお前。あと丈が死ぬほど短くて視線に困ってます……。

 コスプレ幕府を守る志士、鈴堂ウララ!」



「おいいいいい!!優勝しちゃうんですか!?」



「最後に朱雀。

 …………マジで言ってんの?本気なの?身体壊さない?いつも俺の想定越えてくるけど今日だけは計画崩れるからガチでやめてほしかったな……。

 現代の沖田総司こと、若村つぐみ」



「チャンバラやってみたかったの〜!!頑張っちゃうよ!!」




そう。あたし達の秘策とは、若奥様の参戦である!!


…………といっても、そこには紆余曲折がありまして。

チャンバラ対決ということで、病気のせいで身体が弱い若奥様に対して「運動系はあたしが出ます」と配慮したのだが……。



「私スポーツチャンバラやってみたい!やりたい!いや絶対やるもん!!」



めちゃくちゃハイテンション、すなわち暴走モードに入って駄々をこねる若奥様を止められるはずもなく、あたしは参戦を許可してしまった。

…………なんかあったら初期対応くらいはできるし、まもりも居るし大丈夫だろう。最悪若旦那に責任取ってもらえばいいや。



コメント

・もはや若旦那ボ◯ゴレリングって明言してて草

・完全に私物化ですねこれは……

・リ◯ーンのBlu-rayでも買っとけ ¥16500

・選手紹介がほぼほぼディスで草

・まもりとか初戦負け確定やろwww

・なんであんたそんなに自信あるんですかね……

・儚い白衣の天使(健康に問題あり)(台パン中毒)

・DX日◯刀とかまた懐かしいものを……

・ほら、精神年齢からすると当時は小学生扱いできるから

・楽しそうでお姉さんは嬉しいよ

・アホが連続した

・コスプレ常備してんの草

・結局メンバー紹介動画以降も残してんのか……

・うらら、その口調は新撰組どころか真◯組でもない。坂◯銀時さんや

・もっと新撰組っぽいヤツが出てきて草

・新撰組というか沖田総司の擬人化

・ほんとに大丈夫なんですか……?

・お前ぶっ倒れんなよマジで

・一振りしただけで倒れそう

・これ暴走して愛璃が止められなかったパターンやな

・マジで誰にも止められないなこの暴走機関車……



「というわけで、以上4名が出場だ。

 一回戦はマモリvsカナデ、ウララvsつぐみの順で行って、勝った2人が決勝戦な」

『はーい!』



「じゃあアイリ。お前実況な」

「マジですか!?あたしが!?」

「サポートにユイカ付けてやるから安心しろ」

「任されたで〜」

「審判はトキコだな」

「公正にジャッジするよ〜」

「よし。宜しく頼むわ」

「あの、なんで若旦那の実況じゃないんですか?」

「準備しとかなきゃいけないものが増えてな。一瞬席外すことにした」

「わかりましたけど……」

「ルル。悪いが俺の方手伝ってくれ」

「…………なるほど、ですわね。分かりましたわ」

「?」

「アイリ、お前の実況力でファン増やしたくないか?美声が轟けばガチ恋増えんだぞ?」

「…………!そりゃそうだ!!あたしの声で全世界ピンクに染めてやらぁ!!」



っしゃぁ!

あたしのえっちな実況ボイスで、ガチ恋勢を増やしてあげるよ!!








――――

【あとがき】

オールスターフェスは、2章最後ということで少し長めの回になります。

また、若旦那と若奥様がお互い以外のメンバーをカタカナ表記で呼んでいますが、こちらは設定通りの仕様です。

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