第二章 同僚VTuberたちのガチ恋と愛と奇行が止まらない

カッコいいオトナのシチュエーション王決定戦① #ヤバいヤツら=黒野姉弟と初コラボ

「大人に求めるものといえば!

 エロス! 黒野るる!!」

「かっこよさ! 黒野奏!!」

「嗜虐性! 富士宮時子!!」

「クズ男感! 江戸川愛璃!!」



「というわけで、黒野姉弟&ときあいコンビのコラボ回ですわ!」

「「「いえーい!!!」」」



コメント

・いえーい!!

・待望のコラボ回

・黒野姉弟とときあいは初コラボやな

・そもそも例のラジオから初配信

・あのさ、大人って知ってる?

・凡そ大人に求めてはいけない物を挙げるな

・やっぱりクズ男好きじゃないですか

・今気づいたけど奏くん以外劇物やん

・大丈夫なんですかね……?

・【若村希】俺の胃が死にそう

・ほら言わんこっちゃない

・頼むから問題は起こすなよ……?

・【若村つぐみ】胃に優しい料理作ってあげるね♡

・他人のチャンネルでいちゃつかないでください

・TPOわきまえろよ

・お前もあの3人と同類だぞ?



「……………………」

「愛璃さん、中指を立てても3Dモデルでは画面の向こうに表示されませんわ」

「るる姉ちゃん!中指立てるのってどういう意味だっけ?」

「わたしの足を舐めろ、って意味だよ〜」

「分かった!ありがとう時子。るる姉ちゃんにもやってみるぜ!えい!」

「時子さんは一旦正座して、その後地獄に落ちなさいな」

「…………ぺろぺろ♡」

「…………ああっ!もっと舐めてッ」

「普段のわたくしって、皆さんからはこう見えてますのね……」



コメント

・草

・まーた発作起こしてるよ

・あの感動はどこへ……?

・時子様、彼はピュアなんです

・躾けようとすな

・調教始めんな

・こないだの感動を返せ

・素の自分出すって……こういうことですか……?

・全部愛してやるとは言ったけどさぁ……これじゃあさぁ……

・るる姉が押されてるの初めて見たよ

・この女がツッコミに回るのなんて何ヶ月ぶりだよ

・2期生ってなんでツッコミしたがるの?好きなの?

・若奥様とあまとうがおかしいだけなんや……



クソ人妻への怒りからか不幸にも青髪の足を舐めてしまったが、あたしは配信へと向き直る。



今回は黒野姉弟、すなわちるる姉と奏くんとのコラボ回だ。

あたしが改めて配信を頑張る前回のラジオ配信と決意してから数日。

四国旅行から帰ってきた2人が、「お土産あげるついでにコラボしようよ!せっかく愛璃さんの悩みも少し晴れたことだし」って誘ってくれたので、彼女達の自宅(ド豪邸に二人暮らし)にお邪魔して配信している。



…………決して、ラジオ配信との落差が酷いシリアス直後にギャグ回かよとは思ってはいけない。



なお、二人は企画で動くシーンを撮ることも多いので、自宅に3Dモデル用のスタジオが完備されている。パねぇ。一緒にお呼ばれした時子も含め、全員が3Dでの配信だ。



「いい加減企画にいきますわ。

 奏、あなたの目標ってなんでしたっけ?」

「カッコいい王子様になること!」

「愛璃さん、貴女の好きな男ってどんな人でしたっけ」

「カッコいい男」

「時子さん、貴女が屈服させたい女ってどんな人でしたっけ」

「カッコつけてるけど本心では虐められたい女」

「…………ですわよね。ですので、こんな企画をご用意しました」



「第一回!カッコいいオトナのシチュエーション王決定戦!!」



「「「どんどん!ぱふぱふ!」」」



コメント

・面白そう

・オトナ……オトナ?

・一応、るる姉(27)、時子様(24)、エロ川(23)、奏くん(20)

・20にしてはガキな子がいますね……

・どこぞの芸大生も20+1歳だから……

・俺最近IAPで一番ヤバいの時子様じゃないかと思い始めてきた

・奇遇だな、俺もだ

・そのくせ覚醒回すらまだってマジ?



「遂に20歳を迎えたうちの奏に、オトナのカッコいいシチュエーションを見せようって企画ですわね。

 勿論3Dですので、身体を動かして自由にロールプレイしてもらって結構ですわ」

「あたし、ピンクモ◯エナ片手に昨日徹夜で考えましたよ」

「だからつぶやいったーで深夜に病み呟き連発してたんですのね」

「あれ?僕台本書くなんて聞いてないぞ」

「奏は審査員ですわ」

「やだ!僕にも書かせてくれよ!」

「配信前に試しにやってみた時、貴方の台本全部ゲームのパクリだったでしょう」

「ワ◯カ!53位!」

「それは知らなくて良い知識ですわ」



コメント

・黒野姉弟お得意のロールプレイ企画

・問題はツッコミ役が居ないということだ

・奏くんのツッコミに期待しよう

・無理では?

・褒めることしかできなそう

・あいり【サブ垢】の昨夜の呟き数:35件

・おとわ◯かなんで知ってんねん

・下ネタは子どもも好きだから……



「今回は1人2周行う予定です。

 ではいきましょう。最初は愛璃さんのシチュエーションですわ!」

「じゃあ時子、この台本を読んでもらって……」

「はーい」

「僕はとっても楽しみだぞ!」




◇ ◇ ◇



からんころーん。


「もーやだ!マスター、いつもの!」

「こらこらお客さん、毎日飲み過ぎですよ。肝臓がお釈迦になっちゃう」



バーカウンターで軽口を叩くも、優雅にカクテルを作るマスター(演:時子)。



「こちら、セ◯クス・オン・ザ・ビーチになります」

「え、なんで?あたし、いつもバーボンから飲み始めるじゃん」

「全て言わないと分かりませんか?」

「…………もしかして////」

「そういうことです。このバーこそ、私達のビーチなんですよ」

「そっか、やっぱりマスターはカッコいいなぁ」

「貴女のプライベートビーチに、パラソルを立てちゃいましょうか」

「んもう…………っ」



そして、ふたりはカウンターでひとつになる……



◇ ◇ ◇



コメント

・この事務所は何故エロ川をトップバッターにしがちなのか

・嫌な予感が的中した

・バーっていう最高の題材なのに……

・カクテルの名前だけでストーリー決めただろwww

・このマスター気持ちわりぃな……

・自分の店をラブホ扱いすんな

・言い回しが気持ち悪い。本当に気持ち悪い

・ライフセーバーです。ビーチ舐めんな

・これだから脳内ドピンクは……

・待て。時子様演技上手い

・ドチャクソ雰囲気かっこよくないか?

・発声が根本から違う



「はぁ。最高」

「わたしも頑張ったよ〜。気持ちよかった?」

「濡れた」

「わたくし的にはマスターが彼女持ちだとアツいですね」

「実は裏で女囲ってるとなおいい」

「それでバーに他の女性客が入ってきて、隠れて盛り上がると……」

「愛璃ちゃんがマスターの椅子になるんだよね」

「あっそれめっちゃいい。そんでそんで……」



「僕、全然分かんなかったよ〜。えっちだってことしか分からなかった」





「「「奏(くん)は分からなくていいよ?」」」




コメント

・誰かこいつらを止めてくれwww

・ツッコミ役不在の恐怖、再来

・だから劇物を集めるのは危険だとあれほど……

・ここに王子様を入れるのは危険だ!!

・誰か!!誰か若旦那か板野を呼んでこい!!

・【若村つぐみ】旦那が横で泣きながらウォッカをあおっています

・【板野結華】現実逃避にマク◯ス7見てるわ

・あーあ

・もうめちゃくちゃだよ

・BANまでのタイムリミットも近い

・若旦那……お前また身体壊しそうや……

・まだ最初のシチュエーションなんですが……








―――あとがき―――



1章終了にあたって、あとがきを用意しました。気になる方は近況ノートをご覧ください。


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