青春マツコ
ごり
第1話
うん。友達として付き合うなら、やっぱマツコだよなと君は言った。流れる川もへりくだってボリュームを下げそうな声だ。僕はそれに苦笑いしながらコンビニで買ったフライドポテトとピスタチオをつまんで、君の笑顔で見え方の変わった夕陽を見ていた。君はそんな事も知らないでバックハグ、僕はそれにドギマギしながら右手のポテトが宇宙人にさらわれる様子を見ていた。彼女は宇宙人だった。僕にとっての光で闇だった。僕はいつも教室で何も嫌なことなんて無いのにふて寝して、つまらない。このまま一人で賞味期限切れになるんだろうなって諦めていた。そんな僕を君はいじめてくれて、嬉しかった。構われた事、僕は透明人間だとおもってた。死ぬまで一生誰にも愛されないし友達なんてできない、犬から彼氏になったあの日を今でも覚えてる。
僕が君の筆箱の消しゴムを食べた日はいい天気で、転機だった。君のいじめがバレた日、クラスで袋叩きにあって君が一度死んで、僕と一緒の所に浮かんできた日、嬉しかった。やっとだと、その日のうちに告白した。君は泣いていて、嬉しかった。抱きしめて、こんなに細いし骨だって柔らかいんだって思ってキスをした。最初から好きだったよ、そう言ってくれて嬉しかった。
でもごめんね。僕が本当に好きなのは君じゃない、君のことは大好きそれは嘘じゃない。だけど許してほしい。
僕の命と魂の恋人は彼、いや彼女か今は、ああ泣かないでくれよ。
そうだね、恋人として付き合うならマツコだよな。もう夏も終わる、蝉はみんな死んでこんな感じで僕も死んでしまいたい。
嘘をついてるのは僕。本当は君が好き。僕の常識の侵略者。非日常の具現、我が愛。ああマツコなんてどうでもいい。君が好きだ骨が折れるまで抱きしめたい。口が乾く暇もないくらい、何度でも歯をぶつけ合って笑いたい。
大好きだ。ほらこれをあげる。
何だよ。え、。
欲しかったんでしょ。
うん。
ありがとう。大好き。
僕からのプレゼントはマツコデラックス8/1スケールフィギュア、君からはもらいすぎなくらいの愛のお返し。僕にはそれだけで十分。
青春マツコ ごり @konitiiha0
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