子どもからの贈り物
ひまわり
第1話 『さんぽ』
2歳の子供とさんぽ。
子供の歩幅に合わせて、ゆっくり、ゆっくり。
時には、走り出したり、スピードもバラバラ。
子育ても同じ。
その子、その子の歩幅、スピードに合わせて、歩いてみよう。
時には、立ち止まり、その子の興味、関心を持つことに、目線を合わせて、じっくり見てみよう。
何かにつまずいた時には、
そのひっかかりにとことんつきあって、
ひっかかりがなくなるまで、
ひっかかりながらも歩き出すまで
じっくり待ってみよう。
これは、8年前、私の子育ての軸になっているものを記したもの。
今も変わらない。
8年前のあの頃、私は、『子育て』について悩み、迷い、そして、試行錯誤、模索中であったように思う。
そう、8年前、子どもがある病気を発症し、子どもの生活が一変し、それに伴い、私の生活も激変し、今までの常識だと思って過ごしてきたことが覆されたのだ。
ある病気とは、起立性調節障害という病気だ。
起立性調節障害とは、主に思春期に発症することが多い、自律神経の病気である。自律神経が上手く働かないことによって、横になった状態から起立した時に下半身に血液がたまり、脳に十分な血液が流れず、倦怠感やめまい、頭痛などの様々な症状が現れる疾患である。また、起床時におもに症状が現れ、午後から調子がよくなる傾向があるため、『怠け』や『さぼり』と誤解されることもある。
私には、3人の子どもがいる。当時、子どもの年齢は2歳、9歳、12歳であった。その中の9歳と12歳の子どもがその病気を発症した頃であった。
発症してから子ども達は、頭痛、眩暈、倦怠感があって、朝、起きて学校に通うという普通の生活ができなくなった。症状は、天候や気圧の変化にも左右され、その日、その時にしか体調が分からない状態でもあった。
発症してから、私は、子どもの体調に合わして、声をかけ、起き上がれるまで待ち、学校の準備ができるのを待つ。小学生の頃は、症状がマシな日、時間、行ける時に一緒に保健室まで登校し、しんどくなったら早退の連絡があり迎えに行く。しかし、子どもは、ほぼ、体調が悪い時が多く、家で過ごすことが中心であった。
8年間、子ども達の病気とのお付き合い。
子ども一人一人、それぞれの症状があり、しんどさもしんどい内容も違う、また、性格や周りの環境だって、それぞれ違っている。
今思うと、その子ども達がその子なりの成長を遂げてきている。
私より背も低く、とぼとぼ一緒に歩きながら小学校に通っていたあの子どもが、私の背を抜き、いつの間にか私の方が小さく感じるぐらいまでになっている。そして、子ども自身が通いやすい学校に自分一人で通っている今。
一人暮らしをし、自分の学びたい学部で勉強と家事を頑張っている今。
子どもの成長を振り返りながら、私自身、あの時のその気持ちを思い起こしてみよう。
自分の、他の誰かの、何かのためになるかもしれない。
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