フルーツ・ボンバー

女魔法使いの冒険

　はあ？

　リンゴを取って来て欲しい？

　金貨７０００枚？

　おい。

　どんだけ凶悪なモンスターのいる森なの？

　ええー？

　もしかして不老長寿のリンゴとか？

　あー。

　どうしよう。

　うーん。

　この依頼の情報売った方が儲かりそうな。

　あー。

　お店でリンゴ買って納品するかな。

　いやー。

　うーん。

　森に強盗団が待ち構えている。

　うん。

　いやー。

　はあ。

　こんな怪しい依頼受ける冒険者が金持ってるわけないし。

　と言うか、金貨って重いもん。

　冒険に行く前は冒険者の店に預けるのが常識だよ。

　いやー。

　何だこれ。

　マスター。

　これの依頼人、誰？

　言えない？

　何それ。

　あー。

　ごめん。別の店に行く。

　ふぅ。

　怪しい。

　うーん。

　はあ。

　ミカン？

　金貨７０００枚？

　はあ。

　ええ？

　うーん。どうしよう。

　んー？

　これ女の子を狙ってないか？

　楽勝の依頼で納品に行ったら。

　そのまま依頼人の慰み物にされるのでは？

　あー。

　そうだね。

　冒険者の女の子って美人が多いよ。

　男は不細工ばっかりだけど。

　へーえ。そうなのか。

　世の中って、こういうからくりなのか。

　へーえ。

　そうかそうか。

　たかが金貨７０００枚で結婚適齢期の女の子を奴隷にしようって言うのか。

　冒険者の店もグルか。

　えーと。

　うーんと。

　あー。うーん。んー。

　仕方ないな。

　お祖母ちゃんが、絶対に使うなと言ってたけど。

　ごめんね。誓いを破る。

　魔王を召喚しよう。

　勇者様とお会い出来ることを祈る。

　勇者様を大金持ちにしていただいて、お嫁さんになろう。

　うーん。

　どうしような。

　こういうアホな企みをすると、勇者様がハーレムを作ったというオチになりそうなんだけど。

　あー。

　ま、いっか。

　世界なんて嫌いだし。

　イケメンと結婚出来ないなら、この世が地獄になろうとどうでもいいや。

　さーてと。

　我が詠唱に応えよ。魔王。