暗黒のワルキューレ。
猫野 尻尾
第1話:ディースのワルキューレ。
一話完結です。
シルビリアースと呼ばれる人間界とは別の世界の話。
500年ぶりに現代によみがえった暗闇のワルキューレ。
「ヴァーラ・スキャールヴ」
彼女はディースのワルキューレ。
ワルキューレにもノルンとオルドとディースって言う三女神がいてノルンは
神オーディーンに仕える五人のワルキューレ。
戦場で倒された兵士の魂をヴァルハラに導いている女神。
オルドのワルキューレ達は、鎧は着ず地上に降りることなくオーディーン
の世話をしている女神。
そしてディースのワルキューレ「ヴァーラ・スキャールヴ」は自分の主人を
持たず常にフリーで行動している傭兵のような存在で、いつも黒い戦闘服を
身にまとった乙女戦士の女神。
ヴァーラの魔法はブラックホールを作れるってこと。
ヴァーラが魔法を発動すると、敵は否応なしにブラックホールに吸い込まれて
込まれてしまうって言う恐ろしい魔法。
そしてヴァーラは破滅と不吉の未来を予言する、
人の運命に介入する役割も持つらしい。
500年眠っていたヴァーラは久しぶりの世界に身震いした。
眠る前、西で起こったガルゲイズの戦いでヴァーラは傭兵として魔法を行使して
活躍していたが、敵の魔法使いイマーレスとの戦いでうかつにも手傷を負って
しまう。
不覚にも逃げ帰ったヴァーラは傷を癒すためアルベルナの癒しの洞窟に籠もった
まま妖精に起こされるまで500年も眠った。
妖精には10年経ったら起こせと言っておいたのに妖精は自分の用事を優先して
るうちにヴェーラを起こすのを、すっかり忘れてしまっていた。
「ごめんね・・・ヴァーラあなたを起こすの忘れてた・・・」
「忘れてたって・・・500年もか?」
「ったくよく寝たな・・・」
「寝起きは頭がぼ〜っとする・・・腹も減ったし・・・」
「さ〜てこれからどこへ行こうか?」
「つうか・・・まずは飯だな・・・500年分腹一杯食わなきゃ」
「アングールの店、まだやってるかな」
「あはは・・・あるわけないか?」
まあ500年も続いてる店なんか普通あるわけがない。
っていうか500年も経てば知り合いだってみんな死んでる。
死なないってのもけっこうキツいよなってヴァーラは目覚めるたびに思うのだった。
ヴァーラの人生は戦って眠って起きての繰り返し・・・いったい何年生きてる
んだよって話。
ワルキューレは未来永劫決して死ぬことはないんだから・・・。
おっしまい。
暗黒のワルキューレ。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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