次元旅譚ロード〜戦争の世界編〜

@kandoukei

プロローグ:未来と虚構を繋ぐそれこそが夢

 虹色の宇宙サイケデリックに包まれ、世界ほしが散らばる次元の果て。その中心には超新星の如く神々しく輝く■■■■■■■■■がいた。その叫びは幾多の魂を恐怖で揺さぶり、幾多の神々を恐れさせる。その眼前に白銀竜鱗と純白無貌の天使が無限に召喚され、神罰の軍勢を形作る。

 対するは人間、龍人、騎士、魔導士、森人エルフ鉱人ドワーフ、戦国武将、忍者、妖怪、未来人…ありとあらゆる存在しゅやくたちによる無限の連合が大いなる神に向かって、突撃していた。

 神罰の軍勢と無限の連合、機械的静寂と群像の叫び、唯一の意思と多数の信念がぶつかり合い、次元最強の争いが始まる。


 戦前に無機質な天使たちを次々に切り裂く戦士がいた。その姿は両翼の仮面を被り、胸を鎧のように包む青き外殻、鮮やかな銀色の手足と胴体、明らかなる異形の姿を持つ次元の戦士■■■であった。

 しかし、仮面の目には優しき白光がにじみ出て、左手の甲に生える白き光の刃で戦う身体捌きは舞いのような美しさを感じるのであった。(君たち読者の世界で言う仮面戦士トクサツヒーローと言えば納得できる。)

 彼の後ろに無機質な天使の奇襲を掛けられそうになるも、黒くも強靭な肉体を持ち、仮面を被る純黒の狂戦士■■■■仮面戦士トクサツヒーロー2号兼ライバル)が持つ大剣と天使の鎧を持つ白髪の天使の少女■■が持つ細剣で阻み、切り裂く。

「お父さん、大丈夫ですか⁉」

「たくっ、向こう見ずで自らの犠牲を厭わないって言い訳すんじゃねぇぞ、次元の戦士■■■!」

「すまない、天使の少女■■純黒の狂戦士■■■■。後ろは任せた。」

宿敵ライバルに背を向けるどころか、任せるなんて俺しかいねぇんだよな。」

「⁉お父さん、純黒の狂戦士■■■■さん! 前を!」

 今度は彼らの眼前に無機質な天使の集団が襲い掛かるも、蒼き龍人姫■■・■■■■が蒼き冷気の炎を纏いし拳で凍り砕き、赤き魔法騎士■■■・■■■■■■が持つ紅き剣と派手な着物を着た黄金の鬼姫■■■が二刀流で切り裂き、可愛げのある着物を着た漆黒の鬼姫■■が両手の扇子で黒炎をまき散らし、狩人姿の狙撃手■■■・■■■■■が猟銃姿の魔弾の悪魔■■■■で魔弾を放つ。

「戦場で談笑するくらいなら、不意打ちを防いで下さい。」

「まぁまぁ、姫。これだけの繋がりが集まっているんだ。親子や戦友も水入らずなのも珍しくはないと思うけどね。」

「本当、あんたの繋がりって、本当に次元のように広く、強固な絆なのよね。しかも、神罰の軍勢とかいうのを互角にやり合うなんて。」

「流石、私の夫の宿敵ライバル(自称)。交流関係がとんでもないわね。」

「まぁ、俺たちも人の事言えねぇけどな。次元中を旅してるし。」

「キヒッ! ということは我ら皆次元を渡り歩く変人奇人の同志という訳ですね!キヒヒヒヒヒッ! 」

  九人は合流し、互いの安否を確かめ合った。天使の少女■■次元の戦士■■■を心配し、漆黒の鬼姫■■純黒の狂戦士■■■■を揶揄い、蒼き龍人姫■■・■■■■赤き魔法騎士■■■・■■■■■■は宥め、黄金の鬼姫■■■次元の戦士■■■に突っかかり、魔弾の悪魔■■■■が笑い転げる傍らで狩人姿の狙撃手■■■・■■■■■が呆れかえるように溜息を吐く。

 そんな中、無機質な天使の軍勢に包囲される。他の存在(しゅやく)たちも目の前にいる天使(てき)との戦いに釘付けられ、救援に迎えられない。三度の絶体絶命に陥る。

その時、銃弾、炎、剣戟がどこからともなく現れ、包囲網を崩し、勢いよく粉塵を立たせた。粉塵の中に現れたのは

終末の戦争時代でも心から逃げなかった善良なる軍人■■■■・■■■■

龍を祀る世界で龍炎を纏う拳法を極めた赤き龍人■■・■■

幻想世界でも己が信念を貫いた青鬼の剣士■■

魔導を正しく導く王国の騎士団

妖が潜む奥山の長である山姥の姫君■■■

戦獄の世で己が戦を受け入れた第六天魔王■■■■

超技術未来に絆を紡いだ愛すべき生徒たち

正しき終末を取り戻す為に狡知なる神を穿つ反逆の女神■■

厳しき闇に包まれた世界に抗った憤怒の否定者■■■・■■■■■

神々に抗う誇り高さを持つ天魔の英雄■■■■■

「みんな…、行こう! 世界の果てに待つ幸福な大団円ハッピーエンドを取り戻す本当の旅へ!」

 彼と出会い、彼と旅をし、彼とぶつかり合い、彼と別れ、そして、再び巡り合った全次元最強の戦士たちオールスターズたちはその青臭い台詞に半ば苦笑いしつつも、心の奥底で理解していた。

 次元の戦士■■■こそが神や世界、宿命さへも乗り越える次元最強の戦士であると。



「何だ…今の夢⁉」

 善良なる軍人■■■■・■■■■…否、アラウス・タケヤマは兵舎で目を覚ました。武器や人工酒缶で散らかった部屋と永遠に蒸し暑い世界の環境の中でスモッグの雲から通った陽光を目元に受け、これから、始まる戦争しごとに嫌々ながら思い起こす。、

「たくっ、変な夢だな…旧時代以前の映像漫画アニメーションかよ、見たことないけど…」

 それでも

「だが、もし、世界の果てに待つ幸福な大団円ハッピーエンドあるなら、俺は死んでも構わない。」

 彼は動く、まだ見ぬ親友… 次元の戦士■■■に出会うその時まで。そして、彼は知らない自身の存在が多次元の命運を担う雫の一滴きっかけになろうとは。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る