双子の人形探偵

陽菜花

プロローグ

『あ、熱い……?』



目を開けると、あたりは炎に包まれていた。

空気は肌を焼き付けるように熱く、焦げ臭い。

服もところどころ焦げている。


『熱いっ』


腕に炎があたった。

……火傷、した。


父さんと、母さんはどこだ。

同じ部屋に寝ていたはずだ。

でも、あたりは炎しか見えない。



まさか、もう死んだのか……?



目に涙が浮かんだが、あまりの熱さにすぐに乾いてしまう。



その時、ドアが乱暴に開いた。

炎であまり見えないが、消防士だった。


「た、助けて……!」


消防士に向かって手を伸ばす。


消防士は頰に汗を垂らしながら僕を抱え上げ、急いで外に出た。



……助、かった。



けど、あたりの光景を見て意識を失いそうになった。



家が……マンションが燃えている。



一階の駐車場に人がいっぱいいて、赤い光かちらちらと怪しく光っている。


意識が怪しくなる。


「……ちゃん、は……?」


「ど、どうしたんだい?」


「……かりん、ちゃんは……?」


「何階に住んでいるんだい?」


「……4階……ぼくの、下の階……」


「わ、わかった。すぐに助かる。救急隊!この子を頼む!」


救急隊に渡されたその瞬間、




バアァン!!!




と、爆風と共に大爆発音がした。



「……か、りん、ちゃ、ん……」


大爆音だったにも関わらず、意識は途絶えてしまった。

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