ブラックドラゴン討伐『専門配信者』を名乗る男を釣りだと思っていたら、ガチで倒していた件 〜ブラックドラゴンに関しては誰にも負けないゲコリーヌ〜

@simassima

第1話 まあ1日にブラックドラゴン500体は倒したいかな。

ゲコリーヌ。


それはブラックドラゴンを専門にダンジョン配信をしている。プロの資格を持っているわけではないが、みんなからはプロと呼ばれ、活動しているD配信者。


今日はそんなゲコリーヌに新規の視聴者がやってきた。


「タイトル:ブラックドラゴン専門家が本気を出したら1人で1日で何体倒すことができるのか!!」


視聴者は当然こう思うのである(そもそも1人じゃブラックドラゴン1体も倒せねーよ)と。


常連の視聴者はこう思うのである。(こいつなら1日100体ぐらい倒しそうだな)と。


「ピョーン!ゲコゲコ、ゲコリーヌだ!今日はゲコねー。1日で何体のブラックドラゴンを討伐できるか検証していこうと思います!まー目標は500体ぐらいかなー。このダンジョンね、奇跡的に10秒に1体ぐらいの間隔でブラックドラゴン出てくるから検証にピッタリなんだよね。それじゃあ12時回ったら検証スタートしていきましょう!」


この配信は、浮遊型ドローンで撮影され、討伐中にも空中にコメントが表示されたり、視聴者参加ボイスとして視聴者と喋りながら配信したりすることができる。


今日も新規の視聴者を配信に上げて、新規の人と喋りながらブラックドラゴンを討伐していく形になる。




“なんだこいつ。フェイクにしては雑すぎるだろ。しかも「ピョーン!ゲコゲコ、ゲコリーヌだ!」って挨拶で強いの想像できないわ”

“タイトル詐欺乙”

“そうおもうやん?ちょっとみてみ”

“俺も最初タイトル詐欺だと思ってたw”

“新規の視聴者のリアクション見るのが最近の生き甲斐になってるw“


「一応寝ずに戦うつもりなんだよね。今回本気で行くから。一応戦いながら食べれるゼリーとか用意しといたわ。2分で1体いけるかなーって感じだね。あ、新規の人いますかー?いたらコメントしてください!2、3、人配信に上げてリアクションしてもらいます!参加してもらったらお礼に千円のギフトあげますのでー」


千円貰えると知ると新規の人は、まぁ騙されたと思ってやってみるか。と配信に上がる。

配信に上がった人は、「こいつ、マジっぽい雰囲気作っといてオモチャと戦ってツッコミを入れさせるとかそう言うしょうもないことするんだろうなー。だって2分で一体はマジで無理だもんw」

「どう言うギャグを入れてくるのか逆に気になるわ」

「この人意外とフォローワー多いから何かしら、面白いか、トークスキルがあるか、エロい女の子連れてくるかしてると思うんだけどなー」


配信に上がった新規の視聴者でそんな考察をしていた。


“くくくw、これ新規の視聴者のリアクション見るのマジおもろいからなw”

“このリアクション見るのが生き甲斐になってる人僕のアカウントフォローしてください!”

“フォロー稼ぎやめろ”

”この新規視聴者はどう鳴いてくれるのかな“

”言い方ww“


「お、12時回ったね。じゃあ倒していきまーす。あ、途中途中倒し方のコツとか喋りながらやっていくからみんなも真似してみてね!」


“こいつのコツとか倒し方講座とかほぼ参考になんねーからな”

”一部のSランクパーティーが参考にしてるらしいぞ?“

”まあ実際ブラックドラゴン倒すことなんてねーけどな“

“質問です!ブラックドラゴン倒す時よく左足をウェイブ斬りするじゃないですか。その後噛みつかれそうになったら右に避けると思うんですけど、その時首を切断する動作がどうしても届かないのですが、どうしたら良いでしょうか”(赤スパチャ)

“え?こいつガチでブラックドラゴンドラゴン倒してる人?”

“類は友を呼ぶってやつか。こいつのアカウント飛んでみたらSランク配信者だったわ”


「質問来ました。届かない時はねー。ギリギリで避けて右半分を、2回目で左半分を斬るって言う初心者向けの倒し方もあるんだけど、それだとめんどくさいから、噛みつかれそうになった時、内側に入って、首を切りながら右によけてその流れでウェイブかけて下に切り落とすと1回で首落とせることが多くなるんじゃないかと思います。実際にやってみましょう」


そう説明した後、ブラックドラゴンが姿を見せた。


ーーーーーーーーーーーー

新規視聴者ボイス


「え?これガチで戦うの?こいつ死ぬくね?」

「またやべーやつ現れたなー」

「やば、放送事故起こした時に拡散できるように録画しとこ」


ーーーーーーーーーーーー


「まず定石通り左足を斬ります!おっと暴れちゃったね。後ろに回ろう。…これ左足切断しちゃうか。よしおっけい。倒れてくるからしっかり外側に避けてね。これでブレスを撃ってくるようならお腹を裂くけど、撃ってこなかったら多分噛み付いてくるので、はいここで斬る!ゲコゲコ!1体目撃破ゲコ!」


ーーーーーーーーーーーー

新規視聴者ボイス


「ぎゃあああああ!?どう言うこと!?」

「ちょっと待って脳が追いついてない」

「え?奇跡的にたまたま倒せたってこと?」


ーーーーーーーーーーーー


“まだわかってない視聴者いて草”

“たまたま倒せるわけないだろwww”

”やべぇ腹いてぇwww“


「ごめんね。ゲコリーヌがへたっぴ過ぎてちょっとブラックドラゴンが想定と違う動きしちゃったわ。ちょと次でちゃんと説明するね!」


ーーーーーーーーーーーー

新規視聴者ボイス


「お前がへたっぴだったら誰が上手いって言われるんだよww」

「え?そもそもドラゴンって自分の思い通りに動きを誘導することってできるの?」

「ブラックドラゴンが可哀想…あんまり攻撃しないで」


ーーーーーーーーーーーー


“1人めっちゃ天然なやついるww”

”ブラックドラゴンが可哀想ってww“

“かつて多くの人々を葬って来たブラックドラゴンに情けをかけるレベルでゲコリーヌが強いってことか笑笑”

”お も し ろ く な っ て ま い り ま し た ゲ コ“

“この配信見てたら腹筋割れました”

”普通の人→人が可哀想だ。ゲコリーヌ→ブラックドラゴンが可哀想だ“

“今北産業”

“新規視聴者

ブラックドラゴン討伐

視聴者発狂”



⌒*(゚∑゚#)*⌒ ドラゴンー


1時間後。


「はい!いま1時間が経過して約40撃破ということで、このままいけば1日で500討伐行けます!まだ余裕はあるけど、流石にこのペースを保てるとは思ってないので、力を温存しつつリラックスして倒していきます!」


”トイレはどうしてるの?“


「僕はオムツを履いてます!今日ガチでやってるのでオムツ買って来ました!」


“ゲコリーヌがオムツ履いてんの笑うw“

”オムツマンにやられてるブラックドラゴンって…”


22時間30分後。


ゲコリーヌは追い詰められていた。

「やばいやばいヤバい!!これはきついかもしれない!」


ーーーーーーーーーーーー

新規視聴者ボイス


「すみません、何がヤバいんですか?」

「普通に倒してるじゃん、っていうかさっきより倒すペース早くない?」

「私眠くなって来ちゃった…もう1回寝てくるね」


ーーーーーーーーーーーー


「俺目標500体って言ってたけど実は1000撃破狙ってたんだ!それが間に合わないかもしれない!!」


“どうでもいいだろww“

”お前はもう十分に頑張った“

“900討伐で妥協できない男現るww”

”配信に上がってる女の子は何回寝るんだよww“


終了まで。

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0!


ズシャッ


「うわ!今ので1000体だから…間に合ってないか…ガチかーー。今年入って1番ショックかもしれない。あと1体で1000撃破だったじゃん!」


“え?1日で999撃破ってカンストみたいで逆にカッコ良くね?”

”撃破数カンストしてて草“

“フォローしました!”

“are you a magician?”

”外国人がガチで驚いてんのおもろいなw“


ーーーーーーーーーーーー

新規視聴者ボイス


「お疲れ様です!」

「いやこれはすごいは!拍手!1人寝てるけど

「ぐーすーすー」


ーーーーーーーーーーーー


“これは神回”

“拡散しよ“

”同接10万人wwかつてない視聴者数。これ外国人が多いのかな”


「ミスったゲコ!あとちょっとどこかで短縮できてたらゲコなー。次回お詫びに俺をフォローしてる視聴者参加型でブラックドラゴン討伐のやり方教えます!東京都の人はDMください!」


ブラックドラゴンの死体の山とか初めて見たわ。という視聴者のコメントを最後に配信は終了された。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただき、誠にありがとうございます!( ^ω^ )


面白いと思っていただけましたら、フォローと評価★★★お願いします!


評価が多かったら続きを書こうと思います!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る