第11話 ティゼ村
ティゼ村では、村の長老含めて、アリアが帰って来ないことを心配し、村の大人達、何人かで、アリアを探しに王都に行こうとしていた。
「皆んな、落ち着け。アリアももう18だ。子供じゃないんだぞ。何かあったとしても、自分で対処くらいできる」
「ですが、ベルディ長老、もし変な輩に絡まれて、連れ去られたり、アリアの両親のように盗賊に殺されてしまったりしたら、どうするのですか!」
アリアの親友であるティナはそう声を上げるが、ベルディは取り乱すこともなく、平然と告げる。
「アリアは大丈夫だ。ちゃんと帰って来る」
アリアには未来を見ることが出来る力があるということを。アリアの両親から死ぬ前に話された為、ベルディは知っていた。
「ベルディ長老は、何故、そんなにと冷静でいられるのですか? 貴方がアリアを育てたようなものでしょうに」
ティナの言葉にベルディはそうだなと静かに呟く。ベルディにとってアリアは娘のような存在である。アリアの両親が賊に襲われ、殺されてからベルディが育ててきたのだ。
「私も心配ではある。だが、今はアリアの帰りを待つということが大事だと思うんじゃよ」
アリアは、きっと帰って来る。
ベルディは何故か強くそう思ったのであった。
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