第14話 ベルン
目的地であったアバール砂漠がある街〈ベルン〉へと着いたラティアとディークは、夜ご飯を済ませる為に良さげなお店に入ることに。
店内に入るとラティアとディークは女性の店員に空いている席へと案内される。
「ご注文決まりましたら、お呼び下さい。ごゆっくりどうぞ」
若い女性店員はそう告げて、立ち去って行く。ラティアとディークは席に着き、店員の背を見送った後、机の上に置かれていたメニュー表を手に取り、口を開く。
「どれも美味しそうね」
「そうですね」
✾
夕食を済ませたラティアとディークは、お店を出て、アバール砂漠へと向かう為、夜の空の下、ベルンの街並みを横目に歩き始める。
互いに無言のまま歩くラティアとディーク。しかし、無言に耐えかねたラティアは隣を歩くディークに話し掛ける。
「ディーク、貴方はどうして宝石病の研究を始めたの?」
「小さい頃、母親が宝石の病に侵されて、亡くなったんです。俺は病に侵されて命を落としてしまう人を、一人でも多く救いたい。そう思って、宝石の病を研究を始めたんです」
ディークは母親のことを思い出しながら、ラティアにそう伝え終わると、隣を歩くラティアの方を見て優しく笑う。
「俺はラティア王女、貴方の病を絶対に治してみせます」
ディークの強い芯のある声に、ラティアは感謝の気持ちを込めて、ありがとうと礼を返した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます