第48話 曲のもんだいは問題無
曲の作成……。しかし、うちには作曲のできる人材はいないときた。
ただ、この事態……。ものの数日で解決した。
「私にはアテがある」
そんなことをメンバー全員の前で言った人物はあのツンデレなミカンであった。女子同士では全然ツンツンしないミカンであった。ちなみに女子にツンツンしないのはデレてないから、ツンもしないらしい。
「アテ?アテとは作曲家のこと?」
ノゾミはそう訊ねた。
それに対して、ミカンはコクリと頷いた。
「イエス。とりあえず、腹減ったから、マック行こう」
私たちはその考えに賛成した。忘れていたけど、もうお昼時だ。思い出した途端、一気に空腹が気になってしまった。早く飯食いたい。
*****
「アイドルなのにマックなんか食べて大丈夫でしょうか……?」
エルは少し不安がっていた。そう言われてみたら、そうかもしれない。私は黙ってお腹を触った。
「大丈夫、大丈夫、何とかなるって」
「ちなみに、もしかして、ミカンって太らない体質だったりする?」
「そんなことないって、普通体質ダヨ」
どうもその言葉……。信じがたい。
「なんか、この余裕さ……。セックスをゴム無でやるときの大丈夫だと思ってるおっさん見たい」
ナナがそんな意味の分からないことを言った。ちなみに今日のナナはナナ③。彼女は一言で表すと、「下ネタ星人」とのこと。会ってみると、その通り。何かと下ネタにつなげたがる。その言葉に対してはあまり反応しないようにしている。無視してもあまり気にはしないそうだ。
とりあえず、注文をして、席に着いた。
そうすると、ミカンが話を切り出した。
「私は作曲家の知り合いがいるの!」
彼女は胸を張って言った。
おお、おっぱいが揺れておる。
「ちなみに、その作曲家って、どなた何ですか?」
「ん?かんずちさん」
かんずち。
簡単に言うと、超有名ボカロpだ。
ちなみに、なぜ、彼女とそんな有名ボカロpが知り合いなのかは……。我々は知ら
「今の時代はボカロpは立派な作曲家だからなぁ」
「はい、その通り」
「ちなみに本人と話はついてんの?」
ミカンは首を横に振った。
「なめてんの?早く作ってくんないと……」
というわけで、その場で電話してもらった。
そして、その結果は……。
「もう作ってんのがあるって」
「「「「「何そのご都合展開?!」」」」」
五人の声が一気にハモった。その見事なハモリは店の目線を集めた。
「なんか、注目されてて、笑う」
*****
結果、六人アイドル向けの曲を五曲あるときた。ライブは別にワンマンではなく何曲も必要というわけではない。時間的に考えて、三曲くらいだろうか。
私たちはそのセトリを相談しながら作成した。それからはもう、練習、練習!
練習………………。れんしゅう………………。れん………………。
「やべぇ……。そろそろ死ぬ……」
私は野太い声でそう呟いた。
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