第40話 それは、たった一人との相方の出会い。


 新生アイドル『スーパーミラクルガールズ』。

 典型的な地下アイドルだ。

 初期メンバーは私を含めた6人。

 ルキ、ナナ、エル、ノゾミ、ミカン、

 そして、私、名前はノドカ。


*****


 私がスカウトを受けてしばらく経った。

 今日は新生アイドル『スーパーミラクルガールズ』のメンバーが初めて対面する日である。正直、結構緊張している。だから、かなり早めに来てしまった。


「どうしよう……。まだ、誰も来ていないみたいだけど……」


 集合時間の5時間前……。さすがに早すぎたか?

 しばらくの間暇をつぶすか。幸いここは大阪心斎橋のため暇をつぶすことは容易にできる。何しようか。

 朝早く、心斎橋を歩いていると、『イケベ楽器』という看板に目をつけた。


「楽器屋か………………」


 ちなみに、その隣にはイシバシ楽器がある。まぁそっちも気になったがとりあえず、イケベ楽器に入ることにした。

 入り口をくぐると、そこには大量のギターグッズが並んでいた。 

 しかし、そのグッズたちに私は興味を示さなかった。私はエレベーターを使用し、この建物の4階へと向かった。


 そう、イケベ楽器4回のエリアというのは、ドラムエリアだ!


「来た!我が聖地!」


 私はアイドル好きであるに加え、手に負えないほどのドラムオタクだ。それゆえに作者もその様子を詳しく書くことは難しい。だから、バンドは全然組んだことはないのだが、ドラムは結構叩くことができるのである。ちなみに勿論、実家にはドラムセットが置いてある。

 私はとりあえず、店員に試奏が可能か確認をとった。結果はOKだった。

 さっそく私はその気分に合わせて、ドラムを叩いた。


───そういえば、久しぶりだな……。ドラム叩くの。


 叩いている間の記憶は正直言って、覚えていない。しかし、何か楽しくて、何かから、解放された感覚があった。


 はっきり言って……。最高だ。


 私は汗だくになった後、ドラムスティックを購入し、外に出た。時間は集合時間まで、残り30分。いい感じになったんじゃないだろうか。


*****


 待ち合わせの飲食店に到着すると、そこには、可愛らしい女の子が席に座っていて、こちらに向かって手を振っていた。

 そして、私は彼女のもとに向かうと、彼女は


「あなた、ノドカでしょ?」


 と告げた。

 アレ?まだお互い顔ってわかってなかったよね?しかし、彼女はなぜ私がノドカだということが分かったのだ?

 私はその疑問で頭がいっぱいになり、彼女の言葉に返答をするのを忘れていた。

 彼女は私が反応しなかったことを変に思い、「おーい、おーい」と私の顔の前で手を振っている。


「は!」

「あ、気がついた?」

「あ、すんません……。なんか、宇宙行ってました」

「なんやそれw」

「そういえば、私はノドカですけど、あなたは……?」

「私?私はナナだよ!」

「あ、確かに、ナナって感じしてる!」

「何よ~!ナナって感じって」

「そっちこそ、なんで私がノドカってわかったんですかー?!」

「いや、なんか、ノドカって感じしてるじゃん!」

「同じかい!」


 そこから集合時間までの約30分間。私とナナは楽しい会話をして過ごした。


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