渡り切った橋の先では・・?

「抽選決定!」


「やりましたわ!」


前の放送日から発売された、武道館のチケットの一般応募が定員を超えた。

つまり、抽選が決定した。

ただ、超えたのも締切最終日。


「まあ、ギリギリだけどね。これで、中身が野次馬じゃなければいいけど」


「そんな現実味があることを言わないでよ!」


「いや、だって、あの放送からリスナーの中に野次馬が混じっている確率おおでしょすぎでしょ」


あの放送は、まあ、いい感じに行ったが、野次馬も結構な数を連れてきてしまったという感じだ。まあ、それで炎上は鎮火できたし、それぐらいしょうがないといえば、しょうがないけど。


「それにしても、もっと頑張らないとね」


「そうね。野次馬いても、このキャパに相応するパフォーマンスをしないとよ。

なんだって、歌い手界隈初の武道館だもの」


「そうそう。日本1って言えるパフォーマンスじゃないとね」


バンブーが言うように、歌い手界隈初の武道館だ。

といっても、めっちゃギリギリでとった初めてだ。

私たちの1ヶ月後には後々大きな炎上をした人がいるデュオのライブがある。

まあといっても、初めては初めてだ。










ー当日ー


今、私たちは画面を見ている。

映し出されているのは武道館。


「ゴクリ。みた感じファンぽいよね?」


「ええ」


「うん。まあ、野次馬でも魅了するまで」


「行くよ。歌い手初をとる準備はいい? バンブー、瑠璃」


「もちろんよ!」


「ええ!」


「ライブ開始まで、3、2、1」


マネジャーが合図をする。


「「「マトリカリアの民の皆様、ご機嫌いかが?」」」


画面越し、マイク越し、スピーカ越しだけど、ここでは私たちのファンが混じり合う。


「さあ、最高のステージを時としてご覧あれ! 最初は、鎮静歌!」


私の声の終わりと同時に音が鳴り始める。










ヒュー


「ん? 花びら」



「そういえば、昔ここでゼラニウム様泣いてましたよね?」


「何年前のことを喋っているのw w」


「そう言って、またこのお店に行っているのに」


「突っかからないでよw 」


「2人とも騒がないのよ。身バレしたら、たまったもんじゃない」


「ごめんって」


「はーい」


「けど、まだまだこれからだよ」


「「もちろん」」




ーーーーーーー

作者から


これにて本編完結です

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