またたび商店街 → 三毛猫 玉子さん ・・・(=^x^=)

猫野 尻尾

第1話:玉子さん。

この街に「またたび商店街」ってこじんまりした商店街がある。

そこは猫だけしかいない商店街。

住民はみんな猫・・・人間は誰ひとりいない。


最近になって大型スーパーができて、客がそっちに流れたため


(よくあるあるパターン)


商店街はそのとばっちりをモロ受けていたが、ここの住人はみんな元気だ。


さてこの物語の主人公を紹介しておこうかな。

またたび商店街の入り口の角に交番があって、その交番の一軒隣に、

旦那さんと一緒に「タイ焼き屋さん」を営んでるのが主婦「三毛猫 玉子さん」


たい焼き屋さん一家は四人家族。

お父さんの三毛猫 三郎さん、奥さんの三毛猫 玉子さん

それに長男で高校三年生の三毛猫 太郎、妹で高校一年生の三毛猫 京子。


今日も商店街にいつもと変わらない朝がやってきた。


「太郎〜、京子〜起きなさい・・・学校遅れるわよ」

「早く起きてご飯食べなさい」


「三郎さん・・・ご飯食べるか、新聞読むかどっちかにして」


「毎日、毎日・・・もう」


「玉子・・・毎朝そんなにブリブリ起こるとブスになるよ?」


「みんなが私の言うことをちゃんと聞いてくれたら私だって朝から

こんなに期限悪くないし、美人でいられるのよ」


夫婦でイチャイチャモメてるうちに太郎と京子が起きてきた。


(イチャイチャなんかしてないです)


「はいはい、早く顔洗って、ご飯食べなさい」


みんな忙しくご飯を食べて、三郎さんは、ご飯を平らげるとヘコヘコ店に

出て行った。


子供達ふたりは、朝ご飯もそこそこにあわてて学校へ出かけて行った。


「あら、太郎ったらお弁当忘れてるじゃない」

「しょうがないわね、朝からボ〜ッとして、もう」


玉子さんは大慌てで太郎のあとを追いかけた。

玉子さんは学生時代短距離でめちゃんこ速かったから歩いて学校へ

向かっていた太郎くんにすぐに追いついた。


「太郎お弁当忘れてるわよ〜」


そういって玉子さんは太郎くんに弁当を投げた。


玉子さんは学生時代、遠投も得意だった。


その弁当を見事にキャッチした太郎くん。


「かあちゃん、弁当投げたら、中身がくちゃくちゃになるじゃないかよ」


「いってらっしゃい、気をつけてね」

「太郎・・・あんた男の子の三毛猫は珍しいんだから自信持ちなさいよ」

「それに、あんたお兄ちゃんなんだからちゃんと京子の面倒みてやってよ」


「分かってるよ・・・んじゃな」


「行ってくるから・・・」

「京子、行くぞ」


「お母さん、外に出るときはお化粧したほうがいいわよ」

「スッピンなんてみっともないから・・・」


って京子が言った。


「余計な御世話よ・・・あんたこそ学校へ行くのに化粧して行くのは

やめなさい・・・雄猫を誘惑するよなフェロモン出すんじゃないわよ・・・

ったく色気付いちゃって」


「お母さんそんなところに立ってたら八百屋の軽トラにはねられるよ〜」


太郎と京子は、商店街の道路のど真ん中で仁王立ちになってる

玉子さんに見送られながら学校に出かけて行った。


そのころ三郎さんは、朝から客なんか来ないのに、せこせこタイ焼きを

焼いていた。


今日もすこぶるいい天気。

商店街の屋根が邪魔で太陽は見えなかったけど、玉子さんは野生の勘で

そう思った。


それが三毛猫一家の日常・・・1日のはじまりなのです。


おっしまい。

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