登場人物の表情や仕草が頭に浮かぶ、読みやすく豊かな描写が魅力的です。お話のテーマは様々ですが、いずれもオチが秀逸ですので、ぜひ最後の一文まで読んでいただきたいです。膝を折って、読み手に目線を合わせてくれている――そんな細やかな心遣いを、文章の端々から感じられます。物語の方からこちらに手を差し伸べ、軽やかに歌いながらフォークダンスをリードしてくれているかのような気分を味わいました。読後の余韻も心地よく、物語の残り香を楽しめます。