紫の上と呼ばれる女に転生した私はBL作家になっておひとりさまを満喫する
白雪の雫
第1話
「母親は故按察使の大納言の娘で祖母は尼。そして父親は兵部卿の宮・・・。もしかして私って紫の上に転生しちゃったりする!?」
後に紫の上と呼ばれる少女に転生したと気が付いた見た目は美少女、中身は腐女子。
二十一世紀の日本では、ある会社で働いていて社会人だった彼女は頭を抱える。
だって紫の上って筋金入りのマザコンで脳と下半身が直結している光源氏に拉致られた挙句、彼が思い描く理想の女性として育てられるわ、無理やり純潔を奪われるわ、女三の宮の降嫁によって隅に追いやられてしまう脆い立場にある女性なのだから。
しかも!
アイデンティティが崩れて出家したいと訴えているのに、紫の上が尼になったら自分がファイト一発出来ないという理由だけで脳と下半身が直結している光源氏は彼女を出家させないのだ。
「紫の上って光源氏に拉致られたせいで実家と疎遠だから、いざという時は父親に頼れないんだよね~」
幸いな事に祖母はまだ生きているし、祖母は光源氏とも顔を合わせていない。
これからどうすればいいか?
中身は二十一世紀の日本で生きていた元社会人だった少女は必死になって考える。
「・・・・・・だったらBLを布教して金を稼げばいいじゃない!」
最初は初心者向けに華奢な美少年やワンコ系の可愛い少年が受け、精悍な武士の青年が貴族の青年を手籠めにするのだけど彼の不器用な優しさに触れていくうちに身体だけではなく心も開いていくといった純愛路線のBL本を書いていく。
周囲の評判を見て中級者及び上級者向けには雄っぱい受けにゴリマッチョ受け、触手や二十一世紀のアダルトショップで売っているような大人の玩具を使って全てにおいて完璧な綺麗なお兄さん(モデルは光源氏である)を快楽堕ちさせるBL本を書いていく。
平安時代の日本は二十一世紀の日本と比べたら娯楽が少ない。
そこにBLという女性向けの娯楽を持ち込めば大金を稼げるはずだ。
「それに・・・私って会社で働いていたからさ、いざという時は女房として働くという事に対して抵抗がないのよね~」
己の将来にある程度の算段を立てた少女は、華奢な美少年やワンコ系の可愛い少年を受けにしたBL本を書いていく。
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