Solitude-Swimmer
道草
第1話
「目を細めて見れば、気付かない」
鏡の前で頷いた
「強くならなきゃね」
相応の尺度で
生き抜くための
勇気は首を絞めつけるから
光からは目を逸らしていよう
そろそろ沈んでいくようだ
ここで息絶えるようだ
疑心のままに泳いでいたけれど
結局信じられないのは私自身
独りゆらゆら生きてきたけれど
どこにも価値は無いみたい
ここではないとまだ彷徨う
「『キライ』も愛し方でしょう?」
自分に言い聞かせる
「認めていかなきゃね」
視線の間に身を潜める
狙われないための
理想は毒になるから
期待しないでおこう
どこまでも落ちて堕ちていくようだ
誰にも届かないようだ
いつかの愛を捜していたけれど
あっても今では空っぱだ
陰で静かに生きてきたけれど
ここも居場所ではないみたい
どこへ
誰のせいでもないから
自責に囚われるの
否定から入るから
いつまでも抜け出せないまま
迎合主義に基づいていると
色あせていく
忘れていく
少し光ったようだった
嫌悪の海を泳いでいたけれど
この先も「私」のままだ
無為に日々を生きてきたけれど
意味付けするしかないみたい
ここでもないと目をつむる
何かが
小さなそれを
Solitude-Swimmer 道草 @michi-bun
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