ビール飲むさらでも春のゆふべかな

【読み】

ビールのむさらでもはるのゆふべかな


【季語】

春のゆふべ(春の夕べ)(春)


【語釈】

さらでも――そうでなくても。

[デジタル大辞泉]


【大意】

ビールを飲む。そうでなくても(素晴らしい)春のゆうべを。


【付記】

ひとくちに「春」といっても、立春から立夏の前日までの3ヶ月にわたる。とはいえ、「春のゆふべ」といえば春らしい夕暮れと考えて良いかと思う。


なお、「ビール」は夏の季語。


【例歌】

山里の春の夕ぐれ来て見ればいりあひのかねに花ぞ散りける 能因のういん


【例句】

薬飲むさらでも霜の枕かな 芭蕉


等閑なほざりに香たく春の夕かな 蕪村

驚かぬ風渡りけり春の暮 闌更らんこう

おもひ出て庭はく春の夕かな 太魯たいろ

蕭条せうでうたる古駅にるや春の夕 夏目漱石

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