夏たちぬ海辺にとほきこの地にも

【読み】

なつたちぬうみべにとほきこのちにも


【季語】

夏立つ〈夏〉


【大意】

海辺にとおいこの地にも夏がきたことである。


【付記】

夏の海辺を舞台にした特に近年の小説などは、夏の山や冬の海辺を舞台にしたそれよりも多そうだと思う。標題の句はそれに対するアンチテーゼである。


最近「ブルーライト文芸」なる概念がとなえられ、注目を集めた。詳しいことは忘れたが、夏の海を舞台にした作品が多いとのことだったように思う。


【例歌】

わが宿のそともに立てるならの葉のしげみに涼む夏は来にけり 恵慶えぎょう

いつしかに春は暮れけりこころまたさびしきままにはつ夏に入る 若山牧水


【例句】

さらし干す夏来にけらし富士の雪 宗因そういん

春過て夏来にけらし白牡丹はくぼたん 許六きょりく

夏たつや衣桁いかうにかわる風の色 也有やゆう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る