てふになるゆめ見つづけし蛹かな
【読み】
てふになるゆめみつづけしさなぎかな
【季語】
てふ(蝶)〈春〉
【大意】
チョウになる夢を見つづけた蛹よ。
【付記】
世の大人を見ては、わたしもいずれは一人前になれるのだろうかと、年端もいかぬころに思ったものである。しかるに精神が幼いままなのはまあ良いとしても、年齢相応の能力を身につけてそれらしくふるまい得るに至らなかった憾みがある。うまく行かないのは世の常だが、みずからの世渡り下手にはなお愕然とする。
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