第6話

「マーガレット、今度の星光祭に一緒に行かない?」




そう言われたのは星光祭の前日、学園の昼休みだった

私はベンチに座り、ウィリアム殿下は私に目線合わせるように跪きまるでプロポーズのように誘われた




「え、」


「マリー行ってきなよ」




一緒に昼食を食べていたスイにそう言われほぼ拒否権なく行くことになった



星光祭当日



星光祭のメイン会場となる商人街の入口でウィリアム殿下と合流する



星光祭とは年に1回星が満天になる日の夕方から夜にかけて行われる国1番のお祭り




「お待たせ」


「ウィリアム殿下」


「マーガレット、私のことはルイと呼んでくれ」


「それ、殿下の愛称では」


「いいんだよ、マーガレットになら呼んでほしいから」


「では、私のこともマリーと」




そうして私とウィリアム殿下いやルイ様と共にお祭りを楽しんだ。


お祭りの最後にはカフェに入り、ルイ様と色々話した。




「マリーは婚約したくないの?」


「そういう訳では……」


「マリーって僕のことどう思ってる?」


「ルイ様は優秀でとても素敵な人だと思います」




ルイ様は学年で首席そして騎士クラスにスカウトされるほど剣の腕前も良く、女子生徒達からの評判もいい




「僕はさそんなできた人じゃないよ


小さい頃から兄と比べられて、勉強も剣も兄の方が優秀だし、それを見返したくてやっただけ」


「それってすごいことだと思います

努力でそこまで出来ているのはルイ様の才能だと思います」


「……マリーは優しいね」


「普通のことだと思います」




ルイ様のそんな話を聞くとなんだかしみじみしてくる。

お祭りも終盤に差し掛かってなんだかあの話をしてもいい気がした




「私、養子なんです」


「え?」


「私、元々スラムの出身で今のトロフェン伯爵に拾ってもらったんです。

だから、私は誰とも私の気持ちだけで婚約する気は無いです。

貴族の方とは誰とも身分が釣り合わないですから」


「…そう、でも僕は諦めないから」




その言葉を最後に私とルイ様は解散した。

なんだかスッキリした気持ちと興奮の交じったようなモヤモヤした気持ちを胸に街を歩く

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