クラスの英国美人姉妹の家に住み込みで働くことになった
ぷらぷら
第1話 ウィークリアス姉妹
朝多くの生徒たちが登校する中、一台の高級車が止まり、その中から二人の美人がその場に降り立った。
「あ、ウィークリアス姉妹だ!」
「相変わらず二人とも美人だな」
「俺もワンチャンあるか?」
「ねぇだろ、諦めろ。」
多くの生徒たちが二人に見惚れ、羨望の眼差しを向ける。これは最早うちの高校では恒例行事だ。
冷酷、孤高の美人姉妹、姉のノア・ウィークリアス、妹のミリアウィークリアス。彼女達は転校して来てから瞬く間に我が校のアイドル的存在になった。
しかも二人とも美人な上に親は超金持ちでお嬢様と来たものだ。本当に非の打ち所がないないとはこのことをいうのだろう。
まさに別世界、別次元の存在だ。
この時の俺はまだ思いもしなかった。
まさか彼女達とあんな形で関わることになるとは。
◇
「ここか……」
俺、葉月修斗は休日にとある大豪邸を訪れていた。
高い外壁、立派な門、そして門の向こうに見える広大な敷地に、絢爛な家。まさに金持ちの家という感じだ。こんなのアニメや漫画だけの世界だと思っていたが……まさか本当にこのレベルの金持ちがいるとはな……。
門の脇に設置してあるインターホンを押すと少ししてから若い女の人の声が聞こえてきた。
『はい、どちら様でしょうか?』
「本日、バイトの件で打ち合わせさせていただく葉月です。」
『葉月様、お待ちしておりました。どうぞ中へお入りください。』
その直後、目の前の扉がガコンガコンと音を立てて開いた。
そのまま広い庭を歩いて本邸まで行くと一人の女性が待っていた。
「葉月修斗です。本日はよろしくお願いします。」
「この屋敷のメイド長を勤めております、宮野です。さぁ、どうぞお上がりください。」
宮野さんに勧められ、俺は豪邸の中へと足を踏み入れた。
しかしこの屋敷の主人の許可なしに勝手に入っても良いんだろうか?
少し疑問に思うところはあったがせっかくの好条件のバイトを無しにはしたくはなかったのでここは黙っておく。
今回のバイトはなんと住み込みかつ、時給も高い超良い案件だ。なんとしてもさいようされたい。
屋敷の中には俺には方がよくわからない絵画や壺などが飾られいてる。恐らくこれ一つ一つとんでもなく価値のあるものなのだろう。
もし掃除の時にうっかり壊したとかまじでシャレにならないな……
俺は応接室らしき所に案内され、宮野さんの反対側のソファに腰をおろす。
「本日は貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。改めまして葉月修斗です。バイト経験は飲食店を半年ほどやっておりました。掃除から料理まで大体の家事は出来ます。志望動機は——」
「いえ、そういうのは大丈夫です。」
必ず雇ってもらえるように自分の長所を全力でアピールしに行ったのだがそれも虚しく笑顔で断られてしまった。
え? なに? 俺もしかしてなんかやらかした?
「掃除や料理などの家事などの能力は一切必要ありません。ただ一つだけ確認させていただきたいことが——葉月様は城聖学院の学生さんで間違い無いですか?」
「は、はい城聖学院の一年生です。」
「では学生証はお持ちですか?」
なんかこの人やたらと城聖学院であることを気にしてるな……一体なんなんだ?
少し引っかかったものの俺は言われた通り財布から学生証を取り出し渡すと彼女はじいっと学生証を覗き込む。
「ふふっ……」
そして何故か一瞬すごく邪悪な笑みが見えた気がした。
「ありがとうございます。確かに確認させていただきました。では、本日からよろしくお願いします。」
「え? あの面接とかは——」
「いえ、城聖学院の学生さんと分かればそれで十分です。ではこちらが仕事中の服となりますので早速ご試着ください。」
「わ、わかりました……」
な、なんかあっさり採用になってしまった……もっと難しいものだと思っていたのに……
ま、いっか。採用してもらったし。
◇
「ど、どうですか……?」
「すごくお似合いですよ。」
配給された服はまさに執事という感じのスーツで生地も実に触り心地がいい。
こんな良いものをバイトにも着せるなんて本当に金持ちなんだな。
「そろそろご主人様達がご帰宅なされます。失礼のないようにしてください。」
「は、はい!」
この家の主人達……一体どんな人達なんだろう……やっぱりダンディーなおじさんとかか?
そんなことを考えながら少し待っていると
玄関の扉が開き、二人の人影が現れる。
美しい銀髪の少女に、美しい金髪の少女。
その姿を俺はよく知っていた。
「おかえりなさいませ。ノアお嬢様、ミリアお嬢様。」
そこには学校のアイドル的存在ウィークリアス姉妹がいた。
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